ここ数日、世界的に株価も冴えない展開となりました。日中関係の悪化など国際情勢の不穏のせいでしょうか。いわゆるQE3(量的金融緩和政策 第3弾)など、日米欧で金融緩和強化の揃い踏みとなったのに、それでもダメなのかといったため息も聞こえてきそうです。ただ、意外に「リスクオン」と呼ばれる、強気・楽観相場の再開がもうすぐかもしれないというお話をご紹介したいと思います。


◆悲観相場の「元凶」が楽観相場をリードする?!


 そんな強気・楽観相場再開のきっかけは、ここ数年、逆に弱気・悲観相場の最大の「元凶」となっていた欧州発になるのではないか、といったらどう思うでしょうか。ただ、<資料>を見るとそんな話になるのです。


※<資料>はコチラ⇒http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=300361
ユーロ

<資料>



 <資料>の中の緑色のグラフは、最近にかけてのスペイン長期金利です。そのスペイン金利は過去2か月、急ピッチに低下してきました。スペインを主役に展開した欧州債務不安が、ECB(欧州中央銀行)などの対策を好感する形で改善に向かったためです。

 ただそんなスペイン金利も、<資料>を見ると最近は低下が足踏みしているのがわかるでしょう。欧州危機への懸念後退が一息つき、逆に懸念が再燃しかねなくなっているわけです。それも、冒頭に述べた、世界的に株価も冴えず、「QE3をやってもダメなのか」といった諦めムードが広がった一因といえるでしょう。

 この緑色のグラフ、スペイン金利は再び上昇に向かい、欧州危機再燃となるでしょうか。<資料>を見ると、この緑色のグラフは、もう一本、青色のグラフと基本的に似た展開が続いてきました。そんな似た動きがこの先も続くなら、緑色のグラフ、つまりスペイン金利は、むしろ新たに本格的な低下局面が始まるタイミングが近付きつつあるということになるでしょう。

 それは、スペインを主役とした欧州危機への懸念後退が、新たに本格化するという意味になるでしょう。さっきも書いたように、欧州危機こそは、リスクオフとされる悲観相場の「元凶」となってきました。その欧州危機が新たな改善のステージに入るなら、意外にも欧州発の強気・楽観相場の再開が間もなくかもしれないという話になるでしょう。


◆欧州危機相場アナロジーが示唆する意外なシナリオ


 それでも、欧州やユーロの問題をご存知の方ほど、そんな楽観論を疑うかもしれません。確かに、<資料>では緑と青のグラフは、ここまでは似てきたが、だからといってこの先も似るとは限らないかもしれません。そもそも、その青色のグラフは何か?

 この青色のグラフは、スペインの前に欧州危機で主役となっていた「イタリア危機」におけるイタリア長期金利です。いわば、危機の「先輩」と「現役」において、金利が同じように動いてきたということです。

吉田 恒氏 その意味では、イタリアでもスペインでも、欧州危機の主役の金利の動きは、基本的には似た動きとなってきたわけですから、この先も似た動きは続く可能性があるのではないかと私は注目しています。そして、その通りになったら、「ため息」をつく必要なんてなくて、新たな強気・楽観相場の目前の状況にあるのかもしれないのです。(了)



【吉田 恒氏】
1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。同社の代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。

2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。

著書に『FX7つの成功法則』(ダイヤモンド社)など

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