吉田 恒 為替も株も動きませんね。でも、夏は動かないのが普通でもあります。そして普通なら、秋からは一方向へ相場が大きく動く、「大相場シーズン」が始まるものですが、さて今年はどうでしょうか。



◆秋は大相場のシーズン


 <資料1>は、ドルの対円騰落状況と月間値幅を調べたものです。7、8月は、2000年以降の平均で見ると、一年12か月で小幅第1、2位でした。「夏枯れ相場」という言葉通りといえそうです。


⇒<資料1>(http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=286933
<資料1>



 ただ注目してもらいたいのは、9月以降のドルの騰落状況です。対円でドル高を○印で、ドル安を×印で表示していますが、9月から11、12月にかけては、途端に○、×印が連続しているケースが多かったことがわかるでしょう。秋からは、一方向へ相場が数か月にわたって動く、「大相場」が起こりやすいシーズンといえそうです。

 では、いよいよ満を持したように大相場シーズンに入っていくとして、問題はその方向性です。為替なら円高なのか、それとも円安なのか。<資料2>を見ると、ドル円は日米金利差と同じように動くことがわかります。その意味では、円高か円安かを決めるのは、日米金利差、とくに米金利が上がるか下がるか次第ということになります。


⇒<資料2>(http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=286934
<資料2>



 ではその米金利を考えるうえでは、何が参考になるでしょうか。<資料3>は米金利と、目盛を反転させたスペイン金利を重ねたものです。これを見ると、米金利は、欧州債務問題を代表するスペイン金利と逆相関関係がこの数か月続いてきたことがわかります。以上からすると、ドル円の行方を決める米金利は、スペイン金利次第ということになるわけです。


⇒<資料3>(http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=286935
<資料3>




◆スペインから始まる「驚きシナリオ」とは?


 ではそのスペイン金利はどうなるのでしょうか。欧州債務危機は、春以降このスペインを主役としたスペイン危機として展開してきました。私たちは、スペイン危機がどうなるかはわかりません。ただスペイン危機の「先輩格」として、今年初めにかけて展開したイタリア危機がどうなったかは確認できます。

 さて、<資料4>は、今年初めにかけて展開したイタリア危機におけるイタリア金利の動きと、最近にかけてのスペイン金利の動きを比較してみたものです。ここまでの動きがよく似ていることがわかるでしょう。ここまで似てきたから、この先も似た動きが続くなら、スペイン金利は9月後半から来月にかけて一段と低下する見通しになります。

 さて、そのスペイン金利が米金利を決め、米金利がドル円を決めるといった大まかな流れがこれまでの基本だったのです。そうであれば、秋からの大相場シーズンの方向も、まずはスペインの動きを手掛かりに期待したいところではあります。(了)


⇒<資料4>(http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=286936
<資料4>



【吉田 恒氏】
1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。同社の代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。

2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。

著書に『FX7つの成功法則』(ダイヤモンド社)など



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