今年は4年に一度の米大統領選挙が行われる年です。為替のよく知られた「アノマリー」の一つに、「米大統領選挙の年のドル/円は小動き、ただ選挙終了の後からは大きく動き出す」といったことがあるのですが、今年はどうでしょうか。


◆選挙までは小動き、選挙後とたんに動き出す



米大統領選挙年のドル/円は小動きで、選挙終了後から動き出すと、翌年、翌々年は大相場になりやすい――。ところが、そんなアノマリーが、前回、2008年の米大統領選挙年では大きく崩れた形となりました。リーマンショックに象徴される金融危機が広がるところとなった結果、ドル/円も乱高下となり、値幅も20円を大きく超えたのです。

ただ、そんな2008年を除くと、1988年以降の米大統領選挙年のドル/円値幅平均は14.3円で、1988年から2011年まで24年間のドル/円の平均値幅19.2円を大きく下回っています。

一方、1988年以降のドル/円値幅トップ4は、1998年(33.8円)、1990年(31.7円)、1989年(27.5円)、1993年(25.5円)の順番。大統領選挙の翌年、翌々年に大相場が多いことがわかるでしょう。

こんなふうに、米大統領選挙の年に小動きとなり、選挙の翌年、そして翌々年の中間選挙の年に大相場になる傾向があるのは、米政権の政策と関係しているとの考え方が基本です。大統領選挙の年は新たな政策が打ち出しにくいため、相場も手掛かりが掴みにくい。そして、新たな政権スタートになると、政策的にも大胆に動きやすいため、それをきっかけに大相場になりやすいということです。

さて、今年は7月が終わった段階で、ドル/円は76~84円といった約8円の値幅にとどまっています。アノマリー通りに、大統領選挙が行われる11月までは値幅が10円を大きく超えない小動きが続くのでしょうか。

ところで、ドル/円の値幅も、大きな流れとしては縮小傾向が続いています。1988-1999年までのドル/円値幅平均は22円でしたが、リーマンショック以前、2000~2007年の平均は15円。

2000年を境に、それまでは一年間で20円以上の値幅になるのが普通だったドル円が、最近にかけては1年で15円程度の値幅になるのがせいぜいといった具合になっています。そんなドル円の値幅縮小傾向が、まだ続くのかも注目されるところです。 (了)


吉田 恒氏
【吉田 恒氏】

1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。同社の代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。

2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。

著書に『FX7つの成功法則』(ダイヤモンド社)など

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