その瞬間、石原都知事は苦々しい顔をしたが、地球の裏側では陽気なブラジル国民が驚喜した。リオデジャネイロが2016年夏季オリンピック開催地に正式決定 したからである。この朗報を受けて、ブラジルの平均株価・ボベスパ指数は凄まじい勢いで急騰! さすがにその動きはかなり性急で、過熱感の高まりとともに相場はいったんピークアウトしたが、オリンピック開催がブラジル経済に大きなプラスをもたらすことは確か。

フィスコの岡村友哉氏はこう語る。

「オリンピックに先駆けて'14年にはサッカーのワールドカップも開催される予定 で、サンパウロ大学の試算によれば、これらの経済効果は5・1兆円。この数字の信憑性はともかく、大掛かりなインフラ整備が進められることは間違いなく、道路網や高速鉄道の整備が進められていく でしょう」

正直、ブラジルはBRICsのなかで最も影の薄い存在だったが、実は「すでにGDPが北京オリンピック以前の中国よりも高く、人口は世界第5位の規模で、しかも若者が占める割合が高くて労働力も豊富」という。もともと国力があるうえ、オリンピックが絶好の追い風となって、経済成長の加速が期待できるわけだ。

では、ブラジルのインフラ整備で恩恵を受けるのはどんな日本企業か?

「ブラジルは国土が広大であるものの、地形的に人が住める地域は限られており、高速鉄道は住宅密集地を通過することになります。となると、騒音対策などでも高い実績を誇る日本の新幹線が採用される可能性が高い でしょう」

もちろん、メリットを受けるのは高速鉄道関連だけじゃない。インフラ整備の元手を稼ぐためにも、原油の輸出国として油田開発にもいっそう力を入れるはず。また、経済発展で貧困層の生活水準も向上し、個人消費の拡大も期待できそうだ。



岡村友哉氏
金融情報などを発信するプロ集団・フィスコの人気アナリスト。
先物やオプションなど、マーケット全体の分析を担当する