’10年1月に経営破綻し、上場廃止となったJAL。株券はただの紙くずになり多くの個人投資家をどん底に叩き落とした。そんなJALが9月中旬に再上場するという……。個人投資家から「クソ株」と言われた時期もあったが、果たして、再上場後のJAL株は狙い目なのか!? 【後編】
【前編】はこちら⇒

◆再上場JALと直近の大型IPOを比較



【前編】で解説したとおり、再上場にこぎつけたと言ってもJALの再建は道半ば。とはいえ、株式市場においてJALの再上場はビッグイベントなのには変わりない。

[図1]上場後の第一生命の週足  

上場後の第一生命の週足「最近のIPOは時価総額50億~100億円程度の銘柄が続いていますが、時価総額が7000億円クラスは1年に1回あるかないか。’10年の第一生命や大塚HD以来の大型IPOになるでしょうね。また最近、IPO市場が好調なので期待感もある」(フィスコの株式アナリスト小川佳紀氏)

ただし、IPOといっても初値が高騰するわけではないようだ。

「マザーズや新興市場のネット株は初値が公開価格の2倍になることも考えられますが、JALのような大型株の場合はそれほど期待できません。10%程度上回れば御の字ではないでしょうか。JALの公開価格は同業他社のPER平均に一株あたり利益をかけた値ぐらいになりそう。ただ、税金などの特殊要因が多すぎて正直予想できません」(同)

ただし、利益を確保できているのは、ジャーナリストの森功氏も指摘するようにリストラや税金の免除のおかげ。

「本来ならば、今後5年の成長戦略などを踏まえて価格が決まっていくもの。ですが、名誉会長の稲盛和男さんは敢えて、中長期計画を出していません。上場前には出るでしょうから、その内容には期待ですね」

中長期の戦略如何で、公募価格も決まってくる。

「上場後の株価予想は難しいですが、直近の大型株IPOと比較してみましょう。第一生命は初値が公募価格を大きく上回るまではよかったのですが半値に下落しました。一方、大塚HDは海外戦略が好調なこともあり右肩上がり。JALがどうなるかは明言できないですが、大塚HDのようになることに期待ですね。上場後の成長イメージを提示できれば伸びる余地はあるかと思います。株主優待も人気がありますし、購入する個人投資家は多いのでは」(小川氏)

[図2]上場後の大塚HDの週足  

上場後の大塚HDの週足
そして、株価を維持するためには安定株主が必要だが……。

「以前は三井物産が保有していましたが、今回は『また、株を引き受けます!』とはならないはず。きっと今頃、主幹事の大和証券などが奔走していることでしょう。誰が安定株主になるかわかりませんが、確保できれば株価が崩れることはないと思いますよ」(同)

状況次第では買いもありだが、現状ではまだ黄色信号のようだ。





小川佳紀氏
【小川佳紀氏】
経済情報を発信するフィスコの株式アナリスト。マクロ、ミクロ経済から個別銘柄まで幅広く分析する



森 功氏
【森 功氏】
ジャーナリストとして活躍。著書に『腐った翼―JAL消滅への60年』(幻冬舎刊)など多数



― リストラで業績好調! 再上場株JALは本当に狙い目か【2】 ―