’10年1月に経営破綻し、上場廃止となったJAL。株券はただの紙くずになり多くの個人投資家をどん底に叩き落とした。そんなJALが9月中旬に再上場するという……。個人投資家から「クソ株」と言われた時期もあったが、果たして、再上場後のJAL株は狙い目なのか!?


◆あの沈まぬ太陽が株式市場に帰ってくる!



JALの再上場が9月中旬に予定され、今年、一番のIPOになると注目を浴びている。時価総額は7000億円規模になると予想されているが、低迷する日本株市場に活力をもたらすことはできるか。

「そもそも今回の上場は事業再生を支援する官民出資の企業再生支援機構が株を持つ期間が3年と定められ、来年1月までには再上場しなければマズいから。とはいえ、JALの体質は破綻前と、それほど変わっていないと思います」

とはジャーナリストの森功氏だ。JALの再上場は既定路線だが、その体質には不安な点もある模様。



◆LCCとの戦いを強いられ苦戦も予想される!?



「不採算路線を減らし、1万6000人規模のリストラを敢行、報酬もカットしましたが、破綻したのだから当然の内容。また、それだけで経営状態を改善できるかというと疑問もある。そもそも、史上最高益の2049億円を達成できたのは税金免除などの倒産効果のおかげ。収益構造が大幅に変わったわけではない。『税金でボーイング787を買うなんて!』という批判も出ています」(森氏)

また、フィスコの株式アナリスト、小川佳紀氏もこう指摘する。

「前期の純利益が1866億円と好調。ただ、世界的な景気減速、LCCの台頭などもあり、今期は15~20%の減益が予想されます」

今後、LCCとどう戦うかはJALの腕の見せどころでもある。

「日本でもジェットスターが参入し、8月にはエアアジアも。世界的にもトレンドは格安航空です。フルサービスキャリアのJALがどこまで太刀打ちできるか。国際線は欧米路線をメインに展開していますが、これも疑問。各国はギリシャ危機対応に揺れていますから、欧米路線は今後の景気動向次第でコケる可能性もある。もっとアジアを中心に展開してもとは思いますが、ANAと戦略が被るからやめたのでしょうね」(森氏)

再上場にこぎつけたと言ってもJALの再建は道半ばのようだ。

【後編】へ続く⇒
JALのIPOは10%上がれば御の字か

業績回復に伴って購入したボーイング787。燃費効率も向上し、経営にもプラス要因をもたらす
業績回復に伴って購入したボーイング787。燃費効率も向上し、経営にもプラス要因をもたらす



小川佳紀氏

【小川佳紀氏】
経済情報を発信するフィスコの株式アナリスト。マクロ、ミクロ経済から個別銘柄まで幅広く分析する



森 功氏

【森 功氏】
ジャーナリストとして活躍。著書に『腐った翼―JAL消滅への60年』(幻冬舎刊)など多数


― リストラで業績好調! 再上場株JALは本当に狙い目か【1】 ―