[東証1部]円安一服で今後は期待大




パナソニックの動向に注視が必要か



第9位 日本電気硝子


主力の液晶用ガラスの値下がりで採算悪化しているほか、プラズマディスプレー(PDP)用ガラスも生産調整が続くなど悪材料が続き、厳しい経営環境に陥る。来期は業績回復の可能性も残すが、PDP用ガラスはほぼパナソニック向けのため、同社の生産動向の影響を強く受ける。パナソニックの業績を併せて注視したい(本)





デジタル製品に底力 海外向けも採算向上へ



第10位 カシオ計算機


’11年度はタイ工場が洪水でストップ。デジタル時計や電子辞書が順調に回復しており、「デジタルのカシオ」の底力を再確認させる格好に。円高トレンドで、売上高の半数強を占める海外向けも採算向上が濃厚。電機業界では、大手グループ下位の売り上げ規模だが、株価の動きは良く、円安局面で上値を追っていく習性がある(大)





タイの洪水被害からの正常化と円安に期待



第11位 サンデン


’11年度は、主力のカーエアコン機器事業においてタイの洪水により現地法人が水没したほか、日系自動車メーカーの減産が相次いだことが収益を圧迫。また、売上高に占める海外メーカー向け比率が7割と高いことも大きく響いた。’12年度は、タイの洪水被害からの正常化と円高一服が期待されるため業績回復が見込まれる(本)





復興需要に加え高利益体質で期待大



第12位 トクヤマ


塩化ビニルなどの汎用品に加え、半導体向けポリシリコンなど高付加価値品にも強い。セメント事業は復興需要で伸びており、業績反転に弾みが付きそうだ。リストラの成果で、利益の出やすい体質になっており、回復期の株価上昇は大型株とは思えぬほど。為替にも敏感に反応し、円高ドル安による株価押し上げ効果大(大)


※株価は2月29日終値



円高で傷んだ外需関連銘柄が巻き返すときがきた!


東証1部の総合偏差値ランキングは、ご覧の通り、海運業界の準大手である乾汽船が、ダントツでトップという結果になった。

「同社は業績の改善度合いが大きい上に、対ドル円レート感応度もかなり高い。海運もそうですが、そのほかに上位にランクインしている自動車、電機、非鉄などの業種は、すべて円安メリットが大きいものばかりです」(本吉氏)

つまり、昨年円高で散々な目にあった製造業を中心とする外需関連銘柄が、この春から大幅に巻き返すという結果が表れているのだ。

そのなかでも、各業種ど真ん中の代表銘柄ではなく、関連企業が数多くランクインしている点も、このランキングの特徴の一つ。

「例えば、わかりやすい車関係のフロント企業よりは、その下請けのフタバ産業やトヨタ紡織みたいな企業のほうが、株価の戻りは遅れ気味。特に、業績を期初予想から大幅に下方修正した企業は、改善度が高くなる分、大幅な戻りも期待できるので、ランキング上位に顔を出しているのです」

一方で、内需関連銘柄のランクインは少なめだが、「環境的に内需も悪くないと思いますが、勢いで言ったら当分は外需関連銘柄でしょう」




本吉 亮氏

T&Cファイナンシャルリサーチ調査部マネージャー。日本株の調査・分析を担当する。データを重視した銘柄選びに定評がある


大神田貴文氏

株式・経済ジャーナリスト。専門は金融と経済政策。株式や為替、国債など各市場に明るいだけでなく、個別企業の裏事情も握っている


岡村友哉氏

フィスコなどを経てカブ知恵アナリスト。中小型株や新興株の分析がピチイチ。著書に『その「毎月分配型投信」を買ってはいけない』(小社刊)がある

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この記事はYenSPA'12年春号に掲載されたものです。