そもそも7月は過去17年間で11回、つまり7割弱の確率でドル高・円安となっていたのに、今年の場合はなんとも冴えない状況が続いています。ただ、こんなデータからすると、この1-2週間がドル安・円高の「最終局面」の可能性もありそうだということを、今回は紹介しましょう。


◆「普通の人」は知らない52週線の法則



今年に入ってから一時1ドル=84円までドル高・円安となった動きの最大特徴は、ドル円の過去一年間の平均値、つまり52週移動平均線を大幅にブレークしたことでした。これは、2007年から続いてきた今回のドル下落トレンドの中では初めての現象だったのです。

ところで、今回に限らず、52週線を大幅にブレークした動きは、(それがドル高でもドル安でも)しばらく逆ブレークしないというのが経験則の教えるところだったのです。

さて、その経験則からすると、今回の場合、ドル反落は52週線を大きく、長く割り込まない程度にとどまるといった考え方になるわけです。

確かに、これまでのところは、6月第1週にドルは52週線割れとなりましたが、それも小幅で1週間の動きにとどまりました。さて、足元、そんな52週線は78.6円程度です。20日の終値で、ドルは久しぶりにこの52週線を下回りましたが、果たして27日と2週連続で下回ってしまうのか。

それにしても、上述のような経験則からすると、「52週線を長く、大きく逆ブレークしない」ということになるわけですから、ドル反落局面は「最後の最後」を迎えている可能性があるわけです。

ここに来て、ドル円と相関性の高い米金利が低下傾向となるなど、ドル安・円高リスクが試される展開となっていますが、その中では週末終値で52週線を大きく、長くドルが下回らないかが一つの目安になるわけです。

今回は、過去に起こらなかったことが起こる可能性ももちろんゼロではないでしょう。でも、少なくとも、過去の実績から、目先78.6円程度の水準にそんな意味があったということは、“普通の人”はまずわからない話でしょうから、「転ばぬ先の杖」になればよいのですが。(了)

吉田 恒氏
【吉田 恒氏】
1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。同社の代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。

2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。

著書に『FX7つの成功法則』(ダイヤモンド社)など