兜町の住人たちは、とかく噂好きである。なかには、真偽不明で噂の域を出ないものから、事実なのに噂だけが独り歩きし都市伝説化しているものまで多数ある。金融業界にまつわる数々の都市伝説の真偽を事情通に聞いて、それらの真相を究明した!


◆株価と月の満ち欠けの奇妙な一致


昔から月の満ち欠けと人間の行動には不思議な関係があると考えられてきた。満月には出産が増えて産科医が、新月には亡くなる人が増えて葬儀業者が忙しくなるというのもその一つだろう。

「相場の世界でも新月には高値をつけ満月には安値をつけることから、『新月売り・満月買い』の法則が指摘されています。投資雑誌の付録カレンダーには月の満ち欠けが掲載されているし、海外には占星術で運用する投資ファンドもあるとか。実際のチャートと月齢を重ねてみると、昨年は最高値が満月、最安値が新月でした。為替でも、満月にドルが安値をつけるのでドル買い・円売りを建て、新月にポジションを解消するのがいいと言われます」(株式ジャーナリスト・大神田貴文氏)

悩ましいことに、まったく役に立たないこともあるが、本当に転換点になっていることも。重要統計の公表が続く月末から月初めを除くと、的中率が上がるとか……。

日経平均株価と月の満ち欠けの関係
日経平均株価と月齢を重ねると、関係性があるような、ないような……。ちなみにリーマンショックのあった日は満月だった


◆宮崎アニメの後は相場が荒れる「ジブリの呪い」


「兜町では、誰が言うともなく『ジブリの放映後は相場が荒れ、株価が急落する』という“ジブリの呪い”が囁かれています」(大神田氏)

これにはカラクリがある。ジブリ作品の放送は「金曜ロードショー」が多く、放映中は欧州で、放映後は米国で株取引が続いている。しかも、毎月第1金曜日は米国雇用統計の発表日で、為替は乱高下しやすい。これらが反映されるのが、週明け月曜日になるためだ。


◆銀行員は1円でもなくしたら見つかるまで探す


銀行員は、窓口で1円でもなくしたら見つかるまで全員で探して帰れない、という話を聞いたことがあるだろう。これ、冗談のようだが本当の話。帳簿と現金残高が違えば、ミスとして本店に報告が必要になって支店長の責任になり、全店でミスが重なれば金融庁に行政処分されかねない。1円にこだわることで、ミス防止や使い込み撲滅の雰囲気づくりにもなる。

「何度数えても10円足りないのでポケットから10円を出した途端、書類の間から消えていた10円が見つかり、また数え直すことも」(メガバンク若手女性行員)