年が明けてからグングン上昇し、1万3000ドル台まで上昇したNYダウ(2月末現在)。失業率をはじめ、アメリカの景気回復を示唆するような経済指標の発表の影響もあるのだろうが、なぜこんなにも強いのか?

「ここまでダウが強い最大の要因は、需給面にあるでしょう」とは、フィスコの小川佳紀氏だ。

「確かにアメリカの経済指標には改善傾向が見られますが、アルコアなどの決算を見る限り企業業績の急回復は見られない。それなのにダウが強いのは、世界的な金融緩和など投資マインドが改善するなかで、それまでの下落相場で空売りを仕掛けていたヘッジファンドなどが、買い戻しをかけているからです」(小川氏)

要するに、下落相場で積み上がった空売りのポジション解消が進んだ結果、ダウが右肩上がりで上昇しているということなのだ。

「ほかではアップル株の影響もある。ダウに占めるアップル株の比率が増えていることもあり、同社の株価が史上最高値を更新している=ダウが上昇している、といった要因も。またアノマリーでいえば、大統領選の前年にダウは上昇するはずだったのが、昨年は上昇しなかったので今年にずれ込んだといった見方もできるでしょう」
 
ところで、このダウの上昇はいつまで続くのだろうか?

「今は買い意欲が旺盛なので、少しぐらいネガティブな材料が出ても勢いにかき消されてしまいますが、買い戻しが一服し、いざ実体経済を見たときに思ったよりも景気が回復していないとなれば、その反動が来るでしょう」

上げるときも下げるときも、常に行き過ぎてから気づくのが相場、ということは覚えておきたい。




小川佳紀 氏

フィスコ株式リサーチ部アナリスト。中堅証券会社を経て現職。中小型株や新興市場株の分析など幅広く担当する若手ホープ。



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この記事はYenSPA'12年春号に掲載されたものです。