顧客は怖い人ばかり!

知られざる裏投資の世界に迫る




裏社会に生きる輩たちが自らの犯罪収益金を投資し合う「不良ファンド」。そこには投資とマネーロンダリングの両方の意味合いがあるというが、犯罪で得たお金の投資先もまた、裏稼業。その独自の高配当システムとは一体何か?




犯罪収益金をファンド化し、新たな犯罪に出資する!



「振り込め詐欺を5年も10年もやっていたら、いつか捕まりますよね。かと言って、1000万〜2000万円のカネができても、それは表にできないカネ。二十歳そこらのガキがそんな金額を銀行に入れたら、即疑われて口座は凍結されてしまう。そして使ったら、アッという間になくなる。だから、俺ら裏稼業人は、ある程度稼いだらプレイヤー(犯罪現場の最前線で働く者たち)を抜けて自らオーナーになったり、ほかのチームのオーナーに種銭を投資したりして、安全なところからカネを倍々に増やせる出資者になることを目指す。これが不良ファンドの本質です」

そう語るのは、自らも十代から一発系詐欺(振り込め詐欺など)で稼ぎ、ようやくプレイヤーを抜けたばかりというSだ。

現在、跋扈するさまざまな組織犯罪には闇金全盛期に稼いだプレイヤーが引退して、出資者となって資金提供しているケースが多い。このように、連綿と続く犯罪のスパイラルの核となっているのが「不良ファンド」と言えるだろう。

「一番儲かるのは組織のオーナー。そのオーナーからすれば、稼げるプレイヤーはプレイヤーのままでいてほしい。経験を積んでも、勝手にシノギのネタをパクって独立したら、確実にぶっ潰します。そこでうまく力関係を作り、横の繫がりのあるオーナーたちと対等の位置まで登り詰めて、初めてファンドに参加できる。もちろん捕まったらアウトの裏稼業だから、信用できる組織にしか出資しない。その組織もよほど信用できる人間からしかカネを集めませんしね」

一方で、闇金オーナーのUは、不良ファンド出資者の最終目標を次のように語る。

「どのぐらいの額かはそれぞれだけど、最後は資金を完全に表のカネにロンダリング。飲食や風俗など比較的表の業種のオーナーになったり、不動産の収益物件を購入したりして食っていけるようになるのが目標。もちろん税金もガッポリ持っていかれるけど、自前の名義でこれができないうちは、すでにオーナーをやっているヤツにカネを投げて勉強しつつ、非課税で資金を増やしている」

まるで「モノポリーをやっている感覚」と、嬉々として話すU。次回その不良ファンドの投資スタイルを各ファンドごとに見ていこう。




S氏(25歳)

初期のオレオレ詐欺に十代から携わり、現在は詐欺組織の幹部を務め、不良ファンドへも投資


U氏(34歳)

社債詐欺幹部などを経て、現在は闇金とキャバクラのオーナー。裏も含め総資産9000万円