避けるべきアクティブ投信&利確・リバランスのポイント



ここまで、新興国でアクティブファンドに投資する利点を紹介してきたが、深野氏も「経済合理性から考えれば、年1%、10年間で10%もインデックスファンドよりコストが高いのは結構キツいですよね」と指摘する。それだけに、ファンドを選ぶ際には、注意すべき点がある。まずは組入銘柄だ。

「アクティブファンドのよさは、ファンドマネジャーが厳選して、インデックスファンドを上回る成績を残せるところ。ところが、インデックスファンドより高い手数料を受け取りながら、実際には組入銘柄が同じようなアクティブファンドも。事前に必ず確認して、インデックスファンドとは異なるポートフォリオで、かつ成績が上回っているファンドを選ぶことが重要です」(同)

さらに株式市場の性格上、アクティブに向かない国や地域もある。

「例えば、韓国の株式市場はサムスン系列が時価総額の20%近くを占めていて、現代やLGなどの10大財閥を含めると50%前後。ならばサムスンやLGを個別で買うか、やはりインデックスファンドやETFに投資したほうがコストが安い。前項で紹介したアジア製造業ファンドにも組み入れられており、それでもカバーできます」(同)

台湾のように企業の数が少ない株式市場も、わざわざアクティブファンドを買う必要はないだろう。

「そして、短期の成績だけに左右されないことも重要。例えば、『過去1年間の騰落率ランキングで1位だから』という理由で買うのは絶対ダメ。同時に3~5年のパフォーマンスも確認しないと、たまたま前年大きく下がった反動が出ただけかもしれませんから」(同)

高いコストを支払って長期投資するなら、しっかりとパフォーマンスの中身を吟味しよう。

加えて、「長期投資=ほったらかし」でいいというわけではない。

「個人的には2倍になったら半分売るとか、1・5倍になったら3分の1売るとか、2~3年に一度はリバランスしたほうがいい結果が出る気がします」(深野氏)

もっと明確に相場の状況に合わせるならば、“金利の利上げサイクルが終わると市場が認識したら株価は上昇し、実際に終わったときに株価は下落する” 株式市場と金利の関係を参考にしては?とアドバイスするのは、アメリカ在住で新興国投資に詳しい広瀬隆雄氏だ。

「金利が上がり始めたら積み立てを停止(もしくは一部かすべての利益を確定)」し、「金利が下がり始めたら積み立てを再開」すればいいのだ。ただし、利上げの最終局面では株式市場が暴落する可能性もあるので、焦らず実行しよう。



積み立ての買付日は月初より月末にしたほうが有利になる!?



ネット証券では積み立て投資の買付日を自由に設定できる場合が多いが(ただし、クレジットカード代金の引き落とし口座を利用した場合、買付日を選べないケースも)、その設定次第で運用に大きな差がつく可能性がある!

というのも、日経平均やNYダウには月末の5営業日前から月初の2営業日目にかけて、株価が上昇する「TOM(Turn Of the Month=月変わり)」というアノマリー(傾向)があり、そのタイミングだけで売買して利益を上げているファンドもある。つまり、給料日が月末だからって、月初にファンドを買っていれば、毎月高値で買っている可能性もあるのだ。ファンドの基準価額の推移を見て、買付日は慎重に設定しよう!


深野泰彦 氏

ファイナンシャルリサーチ代表。ファイナンシャルプランナーとして新聞やマネー誌、講演などで幅広く活躍。豊富な情報量と市場分析で個人投資家の高い信頼を得ている。自らも新興国やFXなど、アグレッシブな投資を実践中。

犬山香子 氏

ファイナンシャルプランナーの資格を持つマネーライター。マネー誌や経済誌、書籍などで原稿を執筆。いち早く中国株の可能性に気づき、’01年から中国株投資を開始。数千万円の利益を上げて、現金でマンションを購入した経験も。