FX業者を見直すだけで、収益は大きく好転する



スプレッドが0・5銭縮まれば、それだけで1万通貨取引あたり50円の損益向上になる。たった50円だが、モモタ氏のように1日数百回の取引を繰り返すスキャルパーにとっては大きい。1日200回の取引なら50円×200回で1万円。月20日間として20万円、200pipsの収益好転になるのだ。

「それからというもの、右肩上がりで資産が増えていきました」

取引回数の多いトレーダーは今一度、条件を見直してみることも重要のようだ。

「僕が今使っているのはスプレッドの狭いDMM.com証券とFXトレーディングシステムズ。それに、"いざというときの保険" としてひまわり証券のディールFXにも資金を入れています。ここはスプレッドは広いですが約定力が強いので、メインの2社で約定しないときに必要なんです」

では、気になる手法は?

「最初はRSIを使ったりしていましたが、今はローソク足だけ。取引するのは昼12時から6時と決めています。過去の自分の成績を分析してみたら、勝率が高いのが、その時間帯だったということが理由のひとつ。もうひとつはスプレッドが狭めで安定している時間帯でもあるからです」

米国勢はもちろん、欧州勢すらまだベッドの中にいる昼間の時間帯は相場が動きにくい。モモタ氏はそこが狙い目だという。

「取引するのは米ドル円やユーロ円ですね。とくに値動きが小さくなりがちな米ドル円では、昼間の狭いレンジを探すんです。目安としては5pips以上あって、しかも緩やかな値動きで上がり下がりを繰り返しているレンジです。レンジの上下はあまり厳密に『ここだ』と決めないで、ざっくりとボックスになっているような状態を待ちます。値動きが大きすぎたり、勢いがありすぎると、エントリーが間に合わなかったり、レンジを抜けてしまうことがあるので見送ります」



損切りラインは「スプレッド+1pips」を厳格に



レンジを見つけたら、あとはオーソドックスに上で売り、下で買い、欲張らずに2、3pips前後を細かく狙っていくという。ただし、損切りには厳格なルールを持っている。

「損切りは『スプレッド+1pips』を厳密に守っています。やはり、守りが何よりも大切なので」

米ドル円でのスプレッドは0・5銭程度が多い。モモタ氏の場合、それに1を足して1・5銭程度で損切りすることになるこれはかなりタイトだ。

「目安としては『利益:損失=1:1』なので、利益目標も2pips程度です。勝率は5割程度ですが、損失を想定幅に収めれば利益は想定以上に取れることがあるので、実際には利益:損失が2:1くらいになるんです」

ローソク足の勢いを見ながら、5銭、10銭と利益を伸ばしていけるときもある。統計的な確率論に基づいて戦略を立てているのだ。

「確率論で期待した結果に落とし込むには、トレード回数を増やす必要があります。そのためのスキャルピングだということ。日によってバラツキはありますが、僕は1日に200~300取引くらいはしますね」

月に換算すると4000〜6000取引にもなる。回数を増やすことで期待値に近づく現象を「大数の法則」というが、これだけ取引回数を増やせば確率的に期待できる結果に近づいてくるという。

だが、気になるのは利益の部分。モモタ氏は「利益は想定以上に取れることがある」と話すが……。

「レンジでの逆バリだけでなく、サポートラインやレジスタンスラインを意識しながらブレイク狙いや反転狙いもやります。何度も売り買いが行われているようなポイントは反転したり、勢いよくブレイクするので、狙いどころです」

それが功を奏したのが8月4日。円高の急進に対して日銀介入が行われた日だ。(右上図)

「介入後の反発を狙って、米ドル円よりも値幅の大きなユーロ円をショート中心で攻めました」

この日、日銀介入では初動で1ユーロ110円台から112円まで上昇。その後もじわじわと上げていき、夕方には114円手前まで達していた。

「16時過ぎから取引を始めましたが、最初は負けが続きました。取引を始めてからの1時間で48万円まで損失が膨らんで……」

114円の壁に跳ね返されるものの、勢いよく落ちもせずにジリジリした展開が続き、モモタ氏の収支も悪化する一方。しかし、モモタ氏の武器は諦めの悪さだ。ショート中心の戦略はブレない。

「17時半ころから落ち始めたので、48万円の損失が18時の時点では60万円のプラスに変わっていました。ただ繰り返しショートしていただけです。この日はトータルで100万円近く勝てたので、結果的に1日の利益率としては過去最高になりましたね」

この30分でユーロ円は1円の下落、そんな相場では「ローソク足がサポートを勢いよく割るたびにショートで勝てる」と話す。

「取引は100枚単位です。そのくらいだと大きくスベることなく、狙ったレートから0・5pipsくらいの誤差で約定してくれる。ただ、気になるのはレバレッジ規制ですね。僕の実感としては、規制の始まった8月から約定能力が低下した気がするので……。いずれは、スプレッドも広がってくるかもしれないですし」




モモタさん


【技】モモタ式スキャル


東京時間に相場を観察。スプレッドが安定する時間帯で、なおかつ0.5銭程度のスプで取引できる米ドル円を狙う。特徴はレンジをざっくりと捉え、取引が多い価格帯での反発も狙うこと。レンジ幅の目安は5pips以上。
http://blog.livedoor.jp/million_trader/