「守りは最大の攻撃」の哲学でショック時も着実にプラスを達成!



古くから「攻撃は最大の防御」と言われるが、その逆もまた真なり。徹底的に守りを固めて絶対に大損しないトレードを心掛けた結果、大震災やリーマンショックでもダメージを被らなかったどころか、むしろ着実にプラスを達成してきたのが上総介氏だ。

「むしろ、相場が大きく動いた局面は方向感がはっきりしているので、自信を持ってトレードを仕掛けられますから。リーマンショックの際には、これまでで最高の収益を得ることができました」

勤務先が業績不振でボーナスが激減したのを機に専業トレーダーに転じて6年目。年次では着実にプラスをキープしている。では、上総介氏が実践する鉄壁の守りとは、いったいどんなものなのか?
 
「大きな金額でのオーバーナイトは避けてデイトレをメインにしているので、それだけでもリスクが相当抑えられていますが、とにかく思惑と逆に動いた時点で速やかに損切りすること。そのうえで、相場の方向をしっかりと見定め、確信が持てた局面だけに的を絞って仕掛けるようにしています」

正直、基本中の基本とも言える回答で、拍子抜けした読者もいるだろう。だが、頭でわかっていても、これをきちんと実践している投資家は意外と少ないのが現実だ。

「すぐにまた戻るだろうという希望的観測で損切りをためらう人も多いようですが、それが最悪の結果をもたらしがちです」

荒稼ぎするデイトレーダーが続出した'05〜'06年頃は相場が活況だったので、損切りをせずにガマンしてもどうにかリカバリーできるケースが多かったという。しかし、「今はそんな甘い考えは許してくれない相場」と語る。

「ここで損切りしておかないともっと恐ろしい目に遭うことを思い知っているからこそ、粘らないように心掛けることが肝要」

珍しく損切りが遅れてしまった最近の失敗例が関西電力(9503)だという。

「ほかの電力株がすごい勢いで下げていたので空売りを仕掛けたら、アテが外れました。普段ならすぐロスカットするのに、ちょっと感情的になってしまいました」

対象的に的確なタイミングで損切りを実践できたのがサイバーエージェント(4751)。

「日足チャートを見て値上がりすると思ってエントリーしたものの、どんどん押し返されていったので損切りしました。直後に反発して少々悔しい思いをしたけど、それはあくまで結果論。粘って戻ったとしても、せいぜい±ゼロ。仮に5回のうち3回戻っても、残りの2回で大損するのが常です。損切りにも『いい損切り』と『悪い損切り』があると考えるべきです」

むやみに危険を冒さないように、上総介氏は以前から手掛けてきてクセを熟知している銘柄にターゲットを絞り込んでいるという。

「商社株など、適度に値動きが軽い銘柄が自分のデイトレのスタイルに合っています。最近は電力株も手がけてますが、旬の銘柄はせいぜい2つ〜3つ止まり。板情報と5分足チャートで自分なりに方向感が摑めたら、買いはもちろん、空売りでも利益を狙います」

さらに上総介氏はこう言い切る。「ゲームに例えるなら、とかく株式投資は、利益を追求するゲームだと思われがち。でも、長期的に考えると損失をいかに抑えるかが本質のゲームなんです」

ならば、そんな上総介さんの今の目標は何なのか?

「ブログのタイトルにもしている100万ドルまではいきたいです。でも円高のせいで勝手にハードルが下がってきちゃっていますけど。当初は円換算で1億2000万円ぐらいのはずだったですが……」



個人投資家 上総介 氏
徹底的な危機回避で勝利を呼び込む株巧者


ブログでは前場、後場それぞれの結果を事細かに毎日更新。また投資系ポータルサイト「エンジュク」(http://www.enjyuku.com/)が発行しているメールマガジンにも寄稿している