「強気を助け、弱気を挫く!」の精神で軟調相場でも着実に勝つ



「『強きを助け、弱きを挫く!』、これこそが僕のトレードのポリシーです」

とのっけからアンチヒーロー的発言で周囲を煙に巻くのは個人投資家のTyun氏。その真意は?

「大震災ショックから急激にリバウンドした後、4月以降はなかなか方向感が摑めない相場が続き、市場の売買高も細って盛り上がりに欠ける展開となってきました。こうした局面で着実に利益を上げるためには、強い銘柄に的を絞って買いを入れる一方で、弱い銘柄を徹底的に売るべきです」

強い銘柄とは、相場全体(日経平均)の上値が限定的でも、そんなことお構いなしで上昇し続けているもの。対照的に弱い銘柄とは、相場全体の動きを上回るピッチで下げに下げているものだ。

「最近、弱い銘柄を挫く作戦で最もはまったのは、半導体のエルピーダメモリ(6665)ですね。公募増資の情報が出たので、これはチャンスだと思いました。この銘柄は制度信用取引の対象外なので、一般信用で売りが可能なカブドットコム証券に100万円だけ資金を入れて売ってみたら、即座に含み益が出ました。本来、僕はデイトレが中心ですが、このときのような圧倒的に下がる要因を含んでいるケースでは、そのままポジションを持ちっぱなしにすることもあります。ただ、スイングやさらに中長期的なホールドは期待リターンが大きくなる反面、深傷を負うリスクも高くなってしまうので、オーバーナイトのポジションは極力小さい量にとどめています」


強い銘柄も同時に買うことでリスクをヘッジ



徹底的に弱い銘柄を売りまくる一方、強い銘柄の買いも行うことで相場全体の大きな動きに備える。

「強い銘柄に積極的な買いを入れる作戦が奏功した例としては、GREE(3632)とDeNA(2432)。ともにSNSゲームサイトの大手ですが、米国のグーグルが携帯端末メーカー大手のモトローラを買収するニュースが飛び出したのを機に、スマートフォン関連銘柄として市場で人気化しました。強い銘柄の買いと弱い銘柄の売りのポジションをバランスよく持つことで、相場が上昇・下落のどちらかに大きく振れた際の "保険" になります。ロング・ショート戦略で強い銘柄と弱い銘柄を同時に攻めることで、強いと思った銘柄が期待外れで失速したとしても、弱い銘柄を売って得た利益でその損失をカバーしてくれますし、逆に弱い銘柄が意外な反発を示しても、強い銘柄で儲けが出れば収支はプラスが見込めます」

もちろん、両方とも見込み違いというケースも起こりうるが、慎重派のTyun氏は、そのリスクを最小限に抑えている。

「『股裂き(ロングとショートの両方で損失が発生する状況)』になってしまえば、ダメージがより大きくなる。そこで前もって、兆候が見られた場合はさっさとロスカットします。ただ、目をつける銘柄さえ間違わなければ、強い銘柄がさらに強含み、弱い銘柄がいっそう弱含んで、一挙両得となるケースのほうが多いですよ」

その甘いマスクからは "草食系" のイメージが漂うし、「ボクは臆病者なんです」と自ら告白するTyun氏。だが、その儲けっぷりは間違いなく肉食系。

「上昇トレンドの最中の'05年に200万円の元手からスタートして順調に1000万円まで増やしたものの、翌年のライブドアショックで300万円の損失を被って自信喪失。それを機に『決して深追いをせず、自分の思惑通りのパターンにはまったらトコトン攻める』と肝に銘じました。すると、'06年後半ごろから再び資産が右肩上がりを描いて増加し、大震災直後も約500万円のリターンを達成。その後は少々スランプに陥ったものの、地合いの悪かった7〜8月にも700万円の利益を出すことでき、気がつけば8000万円の大台まであと一歩のところまでくることができました」


Tyun氏
デイトレ界の新星は自称「臆病者」


これまでの日々の出来事からトレードの収支までを掲載しているブログもトレーダーたちの間で好評。最近ではツイッター(@hiro_tyun)でも積極的に情報発信を行なっている