手法よりも大切なのは客観的な視点と相対化



では、どう考える事が大切なのか。重要なことは2つある。

「1つは『自分をいかに客観的に見られるか』。トレードしている自分を、もう1人の自分が後ろから見ながら、『どうしてそこで買ったのか?』と常に自問自答して、しっかりと答えられるようなトレードをしないと、安定的に成績を上げ続けることはできません」

もし、結果が出ていたとしても、「勝っている理由を自分で理解できていなければ、そのトレードには意味がない」と言い切る。

そしてもう1つ大事なのは「相対的に物事を見られるかどうか」ということだ。

「投資で勝てる人は全体の5%と言われますが、どうして自分がその5%に入れると考えられるのか。5%に入るための優位性は持っているのか。持っていないとすれば何が足りないのかを考えれば、次にどうすればいいのか、必要なスキルは何なのかが見えてくる。そうして常に相対的に自分の価値を高めていかないと勝ち続けることはできないと思うんです」

ここでいう投資における優位性とは、何を指すのか?


「例えば、僕は専業投資家ですけど、長期投資をするなら場中の細かい値動きを追う必要はないので、サラリーマンの兼業投資家と比較しても優位性がない。逆に場中の値動きが見られるということは、短期でやれば自分の優位性が発揮できる。また、僕自身は動体視力や瞬間的な判断力に自信があるので、短期の板読みができますけど、じっくり考えて正解を導くようなタイプの人は違う手法を選ばないと勝つことはできませんよね。そうやって自分の環境や性格、身体的な特徴を踏まえたうえで、目標に到達するためにどういうルートを選ぶべきなのか、自分が優位性を保てるのはどういう方法論なのかを徹底的に考えないと、ただ、誰かの手法を真似たところで、勝てるわけがないと思う。手法を真似るよりももっと手前に考えるべきことはあると思うんです」

多くの人が、勝てる投資手法は何なのかを追い求めがちだが、さまざまな投資手法を勉強するよりも先に、自分に合った投資とは何なのか、投資対象や保有時間、投資スタイルなどを改めて自問自答しなければ、すべての努力が無駄になる可能性もある。

「特に板読み手法は主観的な要素がすごく大きいし、性格的に向き不向きがあって誰にでもできる手法ではない。だからこそ優位性があるとも思いますね」

投資手法より、まずは自分自身を研究することが勝てる投資家への近道なのだ。





けむ。氏

板読みで1億7000万円稼いだデイトレーダー


パンローリング社から、板読みの書籍やDVDも出している、けむ。氏。板読みのイロハや実例、板の裏の投資家心理の読み方などが解説されている。現在は、第2弾を執筆中だ