スプレッドではなく、サービスを重視したFX口座選びを




昨夏からレバレッジが最大25倍までになり、スプレッドは過当競争に陥っている。為替は相変わらずの円高が続いている。しかも、今年1月からはFX税制が改正された。変化が一気に訪れている今だからこそ、これまでとは違った新しい視点での口座選びが求められているという。今必要な口座選びの方法とは?






「今年はFX口座選びを考え直す年」と話すのは、元シティバンクの為替ディーラー、田代岳氏。

「今までFX税制については、一律20%の税率の『申告分離課税』と、ほかの所得と合算して課税される『総合課税』の2種類がありました。

しかし、今年1月からは店頭取引でも申告分離課税が適用されるようになり、取引所取引の税制メリットがなくなったのは、ご存じのとおりです。レバレッジも基本的には最大25倍となり、各社、横並びのスタートになったのです」

また、スプレッドは1銭以下の争いに突入し、FX業者ごとの区別がつきにくくなっている。

「スプレッドは0・1銭単位の過当競争に陥り、行くところまで行っている感があります。しかし、数秒で2銭、3銭の利幅を狙うなら別ですが、1時間足や4時間足、日足などを見て取引する人にはあまり関係ない話。それよりも『約定能力の安定性』や、投資家をサポートする『セミナーの充実度』などサービスのほうが大切。今年は、これまでの『スペック競争』から『サービス競争』へと焦点が移る転機の年になると思います。いよいよサービス重視時代の到来です」(田代氏)

スプレッドを無理に狭めようとすると、投資家が思ったようなレートで約定できなかったりといった歪みが生じる。見かけの狭さよりも「取引したいときに確実に約定してくれる」約定力のほうが、儲けるには大切だという。「約定力」もサービスの重要な要素なのだ。では、ほかに、比べるべきサービス内容とは?

「 “儲け方の提案” をしてくれる会社は希少です。シストレもその一つですが、初心者には難しいし、自作するのは大変。そもそも “勝ち続けるシステム” は存在しません。マネースクウェア・ジャパン(M2J)の『トラリピ』や『ダブリピ』などは資金管理をきちんと考えて使えば、面白いと思います。FXに慣れる意味でも、トラリピのような自動売買はいいでしょう」(同)

「トラリピ」や「ダブリピ」はマネースクウェア・ジャパンが特許を取得したオリジナルの注文方法。一度注文を設定すると自動的に売買を繰り返してくれるので、時間や手間をかけずに利益をあげられ、仕事や家事に追われるトレーダーにも便利な注文方法だ。

こういった特許・商標を取得した独自の注文手法の一つとして「ダブリピ」があるが、これは「自動でドテンを繰り返したい」というトレーダーの声から生まれたと言う。ほかにも1000通貨単位でも取引できるようにしたりなど、ユーザーの声が届きやすく、反映されることも魅力の一つだ。

「トラリピを使う際、初心者でも戸惑わないようにウィザード形式で注文できるように使いやすく改善したり、サービスの充実に力を入れています」と話すのは、M2Jの西田慎氏。こういったサービス強化も奏功し、レバレッジ規制や円高という逆風のなか「25か月連続で預かり資産が純増し、’12年1月末時点で300億円を突破しました」(西田氏)



セミナーや信頼性など魅力あるサービス



「セミナーも重要なサービスの一つ。私がセミナーをやるときは自分のポジションを公開したり、なるべく取引に直結する内容を話しています」(田代氏)

各社、セミナーにも力を入れているなか、特にユニークなのはM2Jの「FXアカデミア」。相場予測に定評のある吉田恒氏が学長を務めるFX教育機関で、目標は「FX投資家としての知識をしっかり身につける」こと。こうした有料でもおかしくない内容が無料で学べるFX会社もある。

サービスでいえば、取引通貨ペアの豊富さも比較基準となりそうだが、これも多ければよいというわけではないようだ。

「ポーランドズロチやトルコリラのような他社では取引できないマイナーな通貨が取引できるとお得だと思いがち。しかし、そうした通貨は市場が混乱しているときは約定しにくくなったり、スプレッドが不安定になってしまうことも。取引通貨ペアの多さが一概にいいとはいえないので、特に初心者の方は流動性が担保されている主要通貨ペアに目を向けるほうがよいでしょう」(同)

店頭取引のFX会社では信託保全が義務化されているが、「より高い信頼性を求めるなら株式公開の有無に注目を。上場するには証券取引所の厳しい審査をクリアする必要がありますから」(同)。

現在、FX専業会社で上場しているのはマネースクウェア・ジャパンとマネーパートナーズ、それにFXプライムの3社。上場しているだけでも一つの基準になるが、各社の勢いを見る意味では、株価を「市場からの評価」と位置づけて比較して見るのも一考だ。

「FXには、スキャルピングに代表される短期的な取引だけでなく、時間を味方に中長期のトレンドを摑んで、じっくり取引するスタイルもあります。そのやり方なら数銭の取引コスト差は気になりません。1銭以下のわずかな取引コストだけで評価するのではなく、サービス重視でFX会社を選ぶことも勝利への近道になるのではないでしょうか」(同)

口座選びから勝負は始まっている。FX口座は正しく選ぶべし!

ADVANCE代表取締役 田代 岳 氏

シティバンク銀行で為替ディーラー、スタンダード・チャータード銀行でFXトレーディング部長を経て現職。「YEN蔵」としてブログやセミナーでも活躍

M2J営業本部GM 西田 慎 氏

「 トラリピ」を提供するM2Jの営業本部GM。FX黎明期よりセミナーなどを通じて、「資産運用としてのFX」を伝える。
http://www.m2j.co.jp/