インデックスかアクティブか?

理想のポートフォリオは?



「年金が危ない」「日本は借金まみれで将来は大変なことに」――そんなフレーズを耳にするたびに、じわじわと胸に染み込んでくる「老後の不安」。自分の面倒を自分で見るためには、定年までにまとまった金額を貯めておきたいところだ。目指すは資産5000万円! といっても、年利0.3~0.4%程度の定期預金じゃ、毎月13万円は積み立てないと5000万円に届かない……ムリムリ。だが「積み立て投資」なら、30年後の5000万円がガゼン現実的な目標になる!





30年後の5000万円」を可能にする資産配分とは?



毎月いくら積み立てられるかは人それぞれだが、ひとまずは現実的な目標として「毎月5万円」を想定してみよう。年間60万円なので「毎月2万5000円+夏冬のボーナスで15万円ずつ」でもいい。現在35歳の人が、65歳の定年まで積み立てを続けて、最終的に資産5000万円を目指す場合、どのくらいの利回りを目指せばいいのか? 投資情報サイト「モーニングスター」でシミュレーションしてみると(左参照)、「年間約6%」となった。言うまでもないが、定期預金では達成不可能な数字だ。

この数字を現実的なものとするには、何に、どのくらい投資すべきなのか? モーニングスター代表取締役COOの朝倉智也氏にアドバイスをお願いした。

「個別の金融商品を選ぶ前に、まずは資産配分を検討しましょう。資産運用の世界では『個別の金融商品の選定が投資の良し悪しに与える影響は2割、残りの8割は試資産配分で決まる』と言われていますからね」(朝倉氏。以下同)

資産配分――すなわち、国内株式、先進国株式、新興国株式、国内債券、先進国債券、新興国債券、REIT、コモデティなどの資産をどのような比率で持つか。朝倉氏が提案する〈30年先を見据えた資産配分〉は、ズバリ、左グラフのようになる。

これまで、初心者向けの投資本などに書かれている〈標準的な資産配分〉を目にしてきた人なら、この提案の大胆さに驚いたかもしれない。とりわけ大胆なのは〈国内資産がいっさい入っていないこと〉と〈新興国への投資が全体の45%もあること〉の2点である。

一般的に、資産運用では国内外の株式と債券に分散投資するのがよいとされている。外国資産だけで運用するのはバランスが悪いのでは?と不安に思う人もいるだろう。

「その不安は無理もありませんが、実は私たちは、すでに資産のかなりの部分を国内に投資しているんですよ。その筆頭が公的年金で、積立金の実に7割近くは国内債券に投資されています。銀行の預貯金や保険会社の保険料の運用先も国債が中心。このうえさらに、自分の裁量で運用できるお金まで、国内に投じなくてもよいのではないでしょうか」

新興国への投資についても、「現在の時価総額ベースで配分するという従来のセオリーにのっとるなら、新興国への投資はポートフォリオの10~15%にとどめるべきでしょう。しかし、老後に向けた資産を形成していくという前提で考えれば、20年、30年先の時価総額を見据えた投資を行うべき。ゴールドマン・サックスが予測した、世界株式の時価総額シェアを見ると、2030年には中国がアメリカを抜いてトップになり、インドとロシアも日本を抜いて3位、4位に。そのときになってからポートフォリオを組み替えてもしょうがないでしょう? 新興国への投資をリスキーだと言って回避するのは、いささか新興国をナメているように思いますね(笑)」

この資産配分の期待リターンは7・67%。30年たたずに5000万円達成も夢じゃない!?



朝倉智也氏

モーニングスター代表取締役COO。著書に『投資信託選びでいちばん知りたいこと』、『投資信託選びでもっと知りたいこと』(ともに武田ランダムハウスジャパン)がある