シャープレシオを活用すれば勝てる投資信託がわかる!



「投資信託(ファンド)はつまらなくて当たり前」とは、ファイナンシャルプランナーの神戸孝氏だ。

「投資家にとって大事なのは、面白いかどうかではなく、資産が最終的に増えていることです」(同)

投資家とは、投資家から集めた資金をまとめて投資の専門家が運用し、得られた収益を投資家に分配する仕組みの金融商品だ。投資家は、銀行や証券会社などの販売会社を窓口に購入する。

「投資信託は、投資家から集めた資金を受託会社(信託銀行)が管理・保管し、委託会社(運用会社)がその資金を株式や債券、REITなどに投資して運用します。メリットは少額資金(1000円〜)から始められることや、分散投資の効果があることなど。デメリットは購入時手数料や信託報酬などのコストがかかること、元本割れする可能性もあるということです」


世界経済がプラス成長していればOK



では、これから投資信託を始めるには、どうすればいいのか?

「投資信託は長期運用・長期投資が基本。それを国際分散投資で行うことです。あとは毎月一定額購入していくだけ。極論すれば、投資信託で資産運用するために重要なのは、世界経済がプラス成長しているかどうか。つまり、IMFが毎年発表する世界経済の成長率に注目していればいい」

とはいえ、それで本当に資産は増えるのか?

「下の表のとおり、長期運用で複利の効果を最大限に活かすためには、とにかく大きく資産を減らさないことが大事。大きく勝ったり負けたりしながら平均5%で運用するよりも、勝ちは小さくても大きく負けずに平均4・5%で運用したほうが資産は増えるのです」

そしてこのブレを抑えるために、あえて異なる値動きをする商品を組み合わせることが大事だという。

「投資信託を買う際に購入時の手数料ばかりを気にして、比較しようとする人がいますが、それは間違い。それよりも、その投資信託がとったリスクに対して得られたリターンを表す指標であるシャープレシオを活用して、運用の上手なファンドを探すべきです。このシャープレシオの数値が大きいほど、運用効率がいい投資信託と言えるのです。そのうえで国内株式、外国株式、国内債券、外国債券の基本の4つに加えて、REIT、コモディティをバランスよく組み合わせることが重要。つまり、あえてほかが値上がりしているときには値下がりするものも組み入れるんです。例えば外国株式で先進国株ものなら朝日ライフNvestグローバル・バリュー株オープン、新興国株ものならシュローダー・ワールド・エマージング・オープン、コモディティの代用として、ブラックロック・ゴールド・メタルオープンBコースなどが、運用上手なファンドの例です」

さらに詳しいポートフォリオは、右の図を参照してほしい。

「一時的な相場の下落は、むしろチャンス。毎月一定額の積み立てなら、それだけたくさんの口数を買えるから。20代、30代で若い人の中には、ある程度、資金が貯まったら投資をしようという人もいるようですが、それならすぐにでも、月1000円からでも、国際分散投資型のファンドで積み立てをはじめたほうがいい。そして攻めの姿勢なら株式、守りの姿勢なら債券の比率が高めのものにする。ただし、攻めでも守りでもREITとコモディティを加えておく。とにかく、すべてを当てにいかないことです。中国株ファンドとインド株ファンドというように、投資対象を分けているだけで分散投資だと思っている人がいますが、それでは分散投資の効果があまりない」

攻めながらも守りを忘れないのが、長期運用の投資信託で勝つための秘訣なのだ。



神戸孝

FPアソシエイツ&コンサルティング代表取締役。三菱銀行、日興証券を経て独立。『勝つ投資信託』(朝日新書)など著書多数