黄金ペアを見つければ日本株で繰り返し何度でも儲けられる!



ブプライムショック、リーマンショック、そして東日本大震災後の日経平均の大暴落。コツコツ資産を築いても、数年に一度、必ずと言っていいほど起きるこうした大暴落で大切な資金を減らしては、いつまでたっても資産を増やすことはできない。とはいえ、大暴落を予想するなんて、到底不可能な話だ。そんななか、過去3年の平均利回り約50%を日本株への投資で達成していたのが、サラリーマン投資家の柿田文和氏だ。

「私は、外資系IT企業に勤めているのですが、’99年に本業以外の収入を求めて30万円から株式投資をスタートしました。その後ITバブル崩壊で損をしたり、株の予想屋に頼って外したり、負けの連続を経験。新興株のデイトレや外国株にも手を出しましたが、うまくいきませんでした。それでもあきらめずに自分なりに研究した結果、たどり着いたのがルーティン投資という手法でした」(柿田氏)

ルーティン投資とは、いったいどんな手法なのか?


2銘柄の売りと買いでサヤ取りを狙う!



「一般的にはペアトレードと呼ばれる手法ですが、単純作業の繰り返しで利益を上げられることから、そう名付けました。このルーティン投資で大事なことは、2つの銘柄を選ぶことです。例えば、上の図のように値動きが似通った2つのA株、B株があるとします。2つの銘柄のチャートはA株のほうが高いこともあれば、B株のほうが高いこともあります。要するに、チャートが上にあるほうが相対的に高く、下にあるほうが安いということ。ということはA株、B株のチャートが離れているときに、株価が高いほうを空売りし、同時に安いほうを買えば、その後、2つの株価の差が縮まったところで決済すると、それぞれ売りと買いで儲けることができるんです。この作戦こそが、ルーティン投資の極意です」(同)

言ってしまえば、値動きが似ている株のペアを見つけ、そのサヤ取りをするのが、ルーティン投資というわけだ。

「この手法の長所は、景気の良し悪しや金融危機のような株価の暴落に左右されにくいということ。株価はもちろん、景気の先行きを読むことなんて不可能です。素人の私にはわかりません。しかしルーティン投資は、景気の先行きを読む必要がなく、買いと同時に売りも建てているので、株価が暴落しても大損する心配がない。一度に得られるリターンはそれほど多くなくても、コツコツ利益を上げたい人にはオススメです」

それにしても、売り買いを両建てするとはいえ、本当にルーティン投資で儲かり、また暴落しても大丈夫なのだろうか?

「震災当時の状況は、まぐまぐで毎日発行しているメルマガのバックナンバーを見てもらえればわかりますが、3月7日の寄りで仕掛けた、伊藤忠(8801)売りとコムシスHD(1721)買いのペアを3月15日の寄りで決済して利益率7・34%、同じく7日の寄りで仕掛けた旭化成(3407)売りと日産自動車(7201)買いのペアでマイナス0・62%、9日の寄りで仕掛けたパイオニア(6773)とTDK(6762)のペアでマイナス0・01%でした。1勝2敗ですが、日経平均が大暴落したことを考えれば、この結果は悪くないと思います」

ところで柿田氏は、こうしたルーティン投資に向く銘柄のペアをどうやって見つけているのか?

「私の場合、自分で作ったツールを使い、ルーティン投資に向いたペアを見つけています。希望があれば月額4980円で使えるようにしていますが、ルーティン投資をするために必ずしもこのツールが必要というわけではありません。わかりやすい例示をすれば、トヨタ自動車(7203)と日産自動車(7201)、三菱UFJFG(8306)と三井住友FG(8316)などのように、同業種だと値動きが類似しやすい。東証銀行業株価指数連動型上場投資信託(1615)と銀行株や日経225先物とファーストリテイリング(9983)などの日経225採用銘柄とのペアでもいい。探してみると、意外に見つかるものです」





5%ルールで利益確定と損切りを徹底する



柿田氏は、’06年からルーティン投資を本格的にスタートした。最近の成績は、’09年には1000万円の投資額に対して利益600万円、’10年には2000万円の投資額に対して利益1000万円と、いずれも日本株へのルーティン投資で、本業の年収を超える収入を得ている。

「私の場合、利益確定も損切りも5%ルールで実践しています。また仕掛けてから2週間で結果が出なければ、その時点でポジションを解消。新たなペアを組みます。ペア数は、資金量にもよりますが、私の場合、最大で5ペアまでにしています。またペアを組む際は、2銘柄を同じ金額だけ取引するのがポイント。30万円のA株と10万円のB株のペアなら、A株1株に対してB株は3株です」

売りと買いでペアを組むので、当然ながら空売りできる銘柄でなければいけない。

「そういったことからも、私の場合、日経225採用銘柄だけに限定しています。これなら、どの銘柄でも空売りができますので。流動性の面でも、新興株は対象にしていませんね」

こうしたルーティン投資で攻めるなら、どうすればいいのか?

「基本的にルーティン投資は、ミドルリスク・ミドルリターンの手法だと思っているのですが、少し工夫をするなら、異業種のペアが攻めで、同業種のペアが守りではないでしょうか。前者はテーマ株などに多く、同業種ペアよりはリスクもリターンも高めです。後者はリスクが小さいぶんリターンも低い。ルーティン投資初心者は、いきなりトレードせずにペアを決めたらまずは値動きを追ってみるか、手始めとして同業種ペアがいいでしょう。そして、一度、利益を得られたペアは、また株価が離れる可能性が高いので、引き続き観察が必要です。つまり、うまくいったペアには、またチャンスが訪れることが多い。これこそがルーティン投資の醍醐味なんです」

 何度もくり返し利益を生み出してくれる黄金ペアを発見できれば、ルーティン投資では勝ったも同然なのだ。


柿田文和

外資系IT企業勤務。著書に『今どき株で儲けるサラリーマンの週30分ルーティン投資術』(ソフトバンククリエイティブ)がある