複雑なチャートも構成要素はシンプルな分析のみ



「それを見つけるには複雑なテクニカル分析はいりません。シンプルなものだけで十分なんです」

一見、シンプルとは真逆に見えるのだが「ひとつひとつはごくシンプル。最初は高値と安値に水平線を引きます」と言って、マウスを動かすポンドゥ氏。4時間足チャートの目立った高値と安値に手際よくラインを引いていく。

「次にトレンドラインです。下落トレンドならトレンドの始点となった高値から際立った高値を結んで、あとはトレンドの途中の高値と高値でもトレンドラインを引きますね。好ましいのはなだらかな角度のライン。あまり急なのは好ましくありません」

「あとは……」と言って、次々とラインを引いていくポンドゥ氏。トレンドラインは、これだけでは終わらない。

「トレンドラインの平行線も引きますね。下落中だったら、際立った安値を通るように平行線を引いたりもします。平行線で言えば『チャネルライン』も引きます」

チャネルラインとは、トレンドラインの逆に考えるライン。上昇中のトレンドラインは安値と安値を結ぶが、チャネルラインは高値と高値を結ぶ。下落中のチャネルラインは安値と安値を結んだラインだ。トレンドラインだと、上昇中ならば、「一旦は落ちてもココで下げ止まるな」というポイントはわかっても、下げ止まった後に、どこまで上昇するかの目安がわからない。そんなデメリットを補ってくれるのが、チャネルラインの役割だ。「上昇中にロングでポジションをとって、どこまで上がるかというときの目安になりますし、チャネルラインにぶつかって反発、押し目をつくりにいくこともあります。このチャネルラインにも平行線を引きます。あとは、フィボナッチですね。高値と安値を選んでラインを引いていきます。トレンドの始点・終点だけでなく押し目の安値や戻り高値でも引いておきます。後に、これは要らないなというものは消していきますが」


一目のE計算値とN計算値を利用して押し目・戻りを読む



ここまでやると、チャートはラインで埋め尽くされる。ある意味、コンセプトである「世界の投資家の誰もが注目するポイント」というにふさわしい、基本チャートの完成だ。平行線は黄色、トレンドラインは赤、チャネルラインは青、フィボナッチは緑など色分けしておくと便利。だが、これだけやっても、まだ一つやることが残っているという。

「一目均衡表ですね。その中でも、よく使うのは雲と『値幅観測論』ですが、とくに『E計算値』と『N計算値』を重視。転換点の目安になりますから」

E計算値とN計算値については上図を参照。両方とも戻り高値や押し目を探るのに便利な手法だ。

ここまでできたら準備は完了。

最初は大変だが、一度やっておけば、あとは日々何本かラインを追加するだけで済む。それを4時間足、1時間足、15分足で表示。メタトレーダー4ならば、4時間足に引いたラインが1時間足や15分足にも活かされるので、それほどの手間はかからないはずだ。「あとはこのチャートを見ながら、いくつものラインが重なっているポイントに注目。エントリーポイントを探します。たとえば、ココです(※右下図参照)」

そういってポンドゥ氏が示したのは、複数のラインが重なり合っているポイント。ダウントレンドの途中で、戻り高値をつけに上昇してきたローソク足が、ライン渋滞になったポイントに近づいてきている。しかし、その上にはフィボナッチの161・8%と前回高値の水平線があり、N計算値で示唆された戻り高値の目安が重なり合うポイントがある。

「ここが戻り高値となる可能性が高いので、15分足にチャートを切り替えて反転を確認したらショートですね。損切りは30pips。リミットはラインを見ながらですが、目安は100pipsですね」

リミットの考え方はエントリーと同様。100pips以上を目指していい感じで動いていても、複数のラインが重なって反発しやすそうな場所に到達したら、そこで利益確定する。

トレンドラインや水平線を頼りに取引している人は多いだろうが、それぞれ単体で使っていると、ダマシが多くなってしまう。

ポンドゥ氏のやり方はダマシを避けるため、複数の根拠があったときだけ取引するという考え方に拠っている。

「エントリーするときは2つ、3つの根拠がほしいですよね。どちらかというと、反発を狙っての逆張りが多いのも、僕の特徴です」

押し目や戻りの終了を待って、トレンド方向にエントリーといった取引が多いようだ。

「あとは、チャートの形も見ますね。基本ですが、WトップやWボトムといったフォーメーションも多くの投資家が注目する形なので。シンプルに考えて、Wボトムのネックラインに指値を置いておくこともあります」

ポンドゥ氏は今、ポンドだけでなく、ほかの通貨ペアにも手を広げている。

「ポンド/円、米ドル/円や豪ドル/円、ユーロ/円、ユーロ/米ドル、英ポンド/米ドルの6通貨ペアを見ています。すべて同じやり方で、ラインを引いています。手間? たしかに面倒ですが、これが仕事なんで(笑)」

一見面倒だが、分解していくとシンプルな分析手法だけに基づいた王道手法の組み合わせ。「FXは仕事」と割り切ることが大切ということか。「ポンDoライン」は一日にして成らず。日頃の地味な研究があってこそ、なのである。


ポンドゥ流手法をマネしていいのは手間を惜しまぬ人だけ



「僕のやり方を教えたこともありますが、誰でも勝てるようになるわけではない。相性もありますから。このやり方が合うのは面倒臭がらずにできる人、チャートを見るのが好きな人、何より損切りを徹底できる人、ですね。『FXは損切りがすべて』なので」

損切りができない人に、この逆張りライントレードをやる資格はナシ!「ただ……」とポンドゥ氏は続ける。

「最近はデイトレの調子が悪いんですよね。今年に入ってからポンドは値動きが小さめ。3、4年前は一日に3、4円と激しく動く日もザラだったんですが、今は値幅が小さくなってきています。そのせいか、スウィングは好調。今のポンドならオススメはスウィングですね」

「カードローン」の呪文を唱えることから始まったポンドゥ氏の常勝街道。今では某地方都市にマンションを1棟買いするまでになった。しかし、それにしてはこの部屋、シンプルな印象が……。

「贅沢ですか? このフィットネスマシーンくらいですね。20万円くらいですけど(笑)」

ポンドゥ氏の暮らしぶりと同様、派手さはないながらも効果は高いポンDoライントレード。地道なライン引きと損切りができる人には、オススメだ!




ポンドゥさん


【技】ポンDoトレード

トレンドラインやサポート、レジスタンスの水平線、フィボナッチ、チャネルラインなどのラインを引く。そして複数のラインが反発を示唆したところでエントリー。損切りは30pips厳守、リミットは100pips以上を狙う
http://tamasi022.blog8.fc2.com/