攻めならオフィス系守りなら住居系



そんなREITに投資するなら、どんな戦略がいいのか?

「REITは買ったら長期保有が基本だと思いますが、ここ1年はオフィス系の銘柄を値下がりしたら買い、値上がりしたら売るというスタンスがいいと思います。時価総額の面から見ても、格付けの面から見ても、短期ではオフィス系のほうが有利。日銀は、時価総額比率の高い銘柄かつ格付けが高いAA格以上を買っています。そして同様に分配金が安定している住居系の銘柄は値下がりして買ったら長期保有し、分配金を受け取る。理由は、日銀の買い取りが続く来年6月までは安定した買いが入り相場の上昇が続くと予測されるが、その後は波乱も考えられること。震災前は、日銀の買い取りがあるうちにREITの利回りを上げ、投資家に魅力的な商品にすれば、買い取り終了後も上昇相場は続くと見ていたのですが、この震災で投資家にうまくバトンを引き継げず、空白の期間が出ることが懸念されます。ですから、分配金は安定しているのにオフィス系が値下がりすると、住居系もつられて値下がりしてしまう。利回りのバランスを取ろうとするんです。そこを細かく拾う戦略がいいでしょう」

例えば、オフィス系ならケネディクス不動産投資法人、ジャパンエクセレント投資法人、MIDリード投資法人、オリックス不動産投資法人、野村不動産オフィスファンド投資法人などが、住居系ならスターツプロシード投資法人、日本賃貸住宅投資法人、アドバンス・レジデンス投資法人、野村不動産レジデンシャル投資法人、ビ・ライフ投資法人などが考えられる。

「今回の震災の影響で、外資系企業の東京への戻りが鈍ることも懸念されます。それでも住居系は長期保有がいいと思うのは、REIT同士の合併が相次いだことで、特に住居系に合併差益を保有する銘柄が多く、安定した分配金が得られるからです」

基本的にREITは、収益のほとんどを配当に回さなければいけないのだが、「負ののれん」と呼ばれる合併差益は、すぐに配当せずにプールすることができるので、物件を売却したときの売却損や、増資による分配金の希薄化を抑制することに役立つのだ。

「ですから合併差益が多いところが狙い目。利回り5・5%以上なら、買って安心できるでしょう」

REITはオフィス系で攻め、住居系で守るのが、賢いやり方というわけだ。







REITはどこで買う?



REITは上場株式と同様、証券会社の窓口やネット証券で購入することが可能。この際、証券会社に支払う手数料が発生する。 J-REITの場合、権利付最終取引が近づくにつれ価格が上昇、その直後に下落(権利落ち)する傾向にあるため、権利付最終取引前が売り時、後が買い時と言えるだろう。当然、配当所得や譲渡所得には税金がかかることも覚えておきたい。また、 新規上場の銘柄の購入は、ブックビルデング期間中に引き受け証券会社に申し込む。提示されている仮条件の範囲内の購入希望価格で申し込みしよう。ちなみに公募価格は、投資家が購入する希望価格が仮条件の範囲の中でどの価格に集中するかによって決まるため、抽選になった場合、買えないこともある。基本的には証券市場で取引されている株式の売買と一緒だ。


関 大介

アイビー総研代表取締役。J-REITに関する調査及び分析や、不動産投資・証券化に関するコンサルティングを行う