今、株式市場では「ファイナンスリスク(増資リスク)」「円高リスク」「民主党リスク」という3つのリスクが懸念されている。そして、ジャブジャブの金融緩和を行いドル安が進む米国発の「二番底懸念」も台頭してきた。
しかし、これらのリスクを逆手に取った投資戦略があるのも、また事実。注目テーマとその爆騰銘柄を、マーケットの酸いも甘いも噛み分けた情報通が解説!




今年度は空前の増資ラッシュになりそうだ。三菱UFJフィナンシャル・グループの1兆円を筆頭に、大規模な資金調達に動く企業が相次ぎ、'09年は過去最大の8兆円もの資金が投資家から企業に吸い上げられる 見通し。そして、多額の資金が動くからには株価も大きく動く。「増資銘柄の攻略法には2パターンあります」というのは、経済ジャーナリストのX氏だ。

増資発表後から株が上がる場合と、増資発表後に下落し新株の発行価格決定前後に反転してくる場合 の2通り。

前者は事業法人に多く、後者は投融資で損失のかさんだ銀行に多いと言われています」

増資すると企業は資金を調達できる代わりに、新株発行で供給過剰になるため株価が下がりやすい。

「ただし、増資しても資金の使い道が次の成長に役立つなら、株式市場は買いで反応する んです」

典型例が10月に増資計画を公表したマツダだ。約1000億円の資金を調達し、環境対応車の開発に充てる方針が判明すると、まだ見ぬ次世代エコカーを先取りして株価は急上昇した。昭和電工やT&Dホールディングスも増資発表後、株数増加による供給過剰感に負けない値動きを見せた。

増資発表後に株価が下げても、たいていは公募価格決定の前後を底に上昇する んです。それは、増資による株価下落を見越してカラ売りを仕掛けたヘッジファンドや熟練した個人投資家が、公募価格決定を合図に買い戻すからです」

今後どんな銘柄が増資しそう?

'09年3月期に業績が大幅悪化して資本が細ったが、今期の業績回復ががはっきりしてきた会社です。
去年の赤字を『例外』と片付けられる企業と言ってもいい。しかもそういった企業は黒字という強みで、高めの値段で株式を発行し多くの資金を調達できるのです」不況時に攻めの投資ができる企業は強いのだ。




X氏
大手証券会社を経て、フリーの経済ジャーナリストに。
幅広い人脈と圧倒的な情報網で、あらゆる金融経済事情に精通する