本当に経済は回復しているのか、いまひとつ決定打がない。しかし、世界のマーケットでは年初来高値の更新や、リーマン・ショック以前の株価を回復など、懐疑の中で株高が進行している。欧米や日本など先進国がブレーキをかけているものの、中国経済の回復がエンジン役となっているからだ。世界の株式市場は3月を底にして、完全に反発態勢に入ったと見てよさそうだ。

しかし、そろそろ過熱感も指摘され始めている。それでもこれから上がる優良銘柄を見つけるべく、データ分析のプロ、新光総合研究所の山本光孝氏にスクリーニングしてもらった。

「まず、'09年3月期の決算から、欧米日以外の売上高比率が高い銘柄を選びました」

いまだリーマン・ショックを引きずる日米欧などの先進国経済は弱いものの、中国をはじめとする新興国の強さはホンモノ。例えば上村工業は44・9%だが、これは国内と欧米以外の売り上げが半分近くを占めているということ。下表の(1)を見れば、どの銘柄が新興国の潜在的需要の恩恵を受けるか、一目瞭然だろう。

「次に、業績を判断するために、会社予想に対して、アナリストのコンセンサス予想がどれだけ上ブレしているかを得点にしました」

1Qの決算発表時点では、企業はなかなか通期の修正はしにくいもの。一方でアナリストは決算後、最新の業績予想を分析するので、鮮度は高い。そのアナリスト予想が会社予想よりも強気なら、将来上方修正があるかも。

「さらに、今の株価が割安かどうか、7月13日から8月27日までのPBRの平均と、最新のPBRを比べたものが、(3)の『実績PBR乖離率』です」

上村工業の場合、上記期間の平均PBRは1・47倍だが、8月27日時点のPBRは1・37倍で、平均と比べ3・9%割安だということ。平均PBRの水準まで戻っても、なんら不思議ではない。

新興国需要、業績の好調さ、割安度の3つの観点で、バランスのいい銘柄から何かに突出している銘柄まで、多様な25銘柄がスクリーニングされた。



山本光孝氏
新光総合研究所・投資分析部クオンツアナリスト。
上場企業の決算をもとに、さまざまな角度からデータ分析を行う