法人設立までに超えるべきハードル



法人化のメリットとデメリットはわかった!
では、会社を作るには、まず、何すりゃいいんだ?





株式、有限、合同、合資……いろいろある会社の形態。素人にはどれがおススメですか?



「万が一、失敗したときのために、出資者の責任範囲が限定される「有限責任」の形態がいいでしょう。そう考えると、株式会社か合同会社。合同会社を選び、定款原本をワードなどの電子文書にすれば、設立の初期費用は登録免許税の6万円で済みます。ただし、FX業者によっては合同会社では取引口座が設立できない場合もあるので注意が必要です」(薄木氏)

ちなみに合同会社は全会一致での運営が法律で定められている。

「家族や親戚以外の他人と一緒に会社を設立するときは、株式会社のほうがいいでしょうね」(薄木氏)



具体的に必要なものは? どのように手続きを進めればいいのでしょうか?



まずは、代表取締役や取締役を誰にするか、出資額、会社の住所や社名などの重要事項を決定。続いて、会社のルールである定款をつくり、公証人に認証を受ける。

さらに資本金を払い込んで、その証明書を作成。最後に「株式会社登記申請書」に書き込んで、登記所に登記をすれば設立完了だ。

こう書けば簡単に見えるが、実際には細かな書類の作成やさまざまな手続きが必要。行政書士などのプロに頼んでも、設立までには2〜3週間はみておきたい。

法人用の印鑑や、銀行口座をつくることも必要だ。これらがないとFX口座は開設できない。

そして重要なのは、定款作成。行政書士に頼めばつくってくれるが、すべてお任せというわけにはいかない。社名や事業内容などは自分たちで決めるしかないからだ。

「社名は思い付きではなく、しっかりと考えましょう。後で変更するとなると、定款だけでなく、印鑑や銀行口座、FX口座もすべて変えなければならなくなるので面倒です。また、事業内容も幅広く盛り込んでおいたほうがいい。FXでの利益をもとに、不動産などの堅実な投資に転向する人も少なくありませんから」(薄木氏)



社長は俺さま!
だったら、役員報酬ももらいたい放題!じゃ、ダメ?



毎年の役員報酬は、年度の始まりに決定する。会社として「毎月100万円」と決めたら、利益がなくても、1年間は毎月100万円を払い続けなければならない。

役員の立場では、毎月多額の報酬が受け取れるのだからありがたいが、会社の経営者としては、収益が上がらないのに、高い報酬を支払う分だけ会社の損失がどんどん膨らむのだから困った問題だ。

「年度途中で役員報酬を下げることも不可能ではありませんが、その年の収益をある程度見越し、それに見合った額を設定すべき。あと、参考までに、経理はプロに任せたほうがいい。3期が終了して、利益が結構出ていたら、税務調査が入ることがよくありますので」

「社長」となれば、それなりの社会的責任と義務が生じる。肝に銘じるべきは、そのことかも。


法人化がダメなら、「海外口座」でハイレバ取引



「ハイレバ取引はしたいけれど、法人をつくるのには向いていないようだ」という人も、あきらめるのはまだ早い。レバレッジ規制の緩い海外FX会社の口座で取引する方法もあるのだ。

世界的に見てもレバレッジ規制は強化傾向にあるが、規制のまったくない英語やオーストラリア、タックスヘイブンなども存在する。

日本の規制強化を見越し、日本語のホームページやコールセンターを開設している海外業者もある。口座開設はネット、入出金はクレジットカードやオンライン決済でできるので現地に行く必要もない。

ただし、日本語サポートのある会社でも人材不足で電話がなかなかつながらないなど、満足のいくサービスが受けられないことが多い。入金したのに連絡をしてこないような悪徳業者もある。まずは、信用できる業者かどうかをしっかりと見極めることが大切だ。

また、海外口座で稼いだFXの収益にも日本の税制がしっかりと適用されるし、海外口座の入送金にはかなりの手数料がかかる。クレジットカードを使えば便利だが、カードの利用限度枠までしか入金できないし、逆にキャッシング枠というワナも。海外口座開設も、メリットとデメリットがあるのだ。




薄木伸作 氏

行政書士・FP技能士。1965年大阪生まれ。自身の独立経験から起業の面白さ、大変さを実感し、積極的に応援中。『会社設立&海外口座でハイレバFXトレード』(双葉社刊)を監修