攻め方次第で十分、ハイリターンを狙える



基礎を知ったところで、よりアグレッシブな投資法に移ろう。日本で海外ETFが販売されていなかった時期から積極的にトレードしてきた個人投資家の藤田郁雄氏に伝授してもらった。

まずは前出のカン氏も「無視していい」と教えてくれた売買のタイミングに、藤田氏も同意する。

「長期投資では、資産配分、つまりポートフォリオがリターンを決める。リーマンショック前の’06年から’08年は最も相場が上げていましたが、この時期に私は現在の資産の37%も買い付けているんです。当時、TOPIXは今の2倍ほどでしたから、かなりの高値で摑んでいたわけです。にもかかわらず、現在の私のポートフォリオの損益はわずか2・8%のマイナスにとどまっています。これは、買い時を考慮しなくても良い証拠と言ってもいいのではないでしょうか。逆に買うタイミングを計ろうとすると、値が上がってるときに心理的に躊躇してしまいがちになりますので」

海外ETFを買う場合、基本スタイルは長期投資になる。購入すべきETFをいつまでも買えないのでは本末転倒ということだ。

「ただ、安く買いたい気持ちもわかるし、値動きを楽しむのも否定はしません。そういう場合は、例えば月末に期限を切って、そこまで待っても値が落ちてこなかったらオートマティックに買い付けるといった方法を取ればいい。ただ、成行買いはしてはいけません。売り手(買い手)が少なかったりすると、思わぬ高値で約定してしまうことがあるので、買いたい値段の辺りで指値注文を出しておいたほうがいいです」


買い時を探るにはRSIが有効!



株式投資には売買タイミングを計るさまざまなテクニカル分析の指標がある。株同様の取引ができるETFには、そういった便利なツールはあるのだろうか。

「デイやスイングの場合にはテクニカル指標を使うこともありますが、ETFはボラティリティも小さく、基本的に長期投資用に設計された金融商品なので、そもそも指標が当てにならないんです。もともとテクニカル指標は年単位を想定して作られてませんしね。ただ、指値で少しでも安く買いたいなら、売られすぎか買われすぎかを判断する、RSIの14日間モノを使うのはアリです。RSIが20%に達したら、売られすぎ(割安)なので買いを入れればいいでしょう」

実際にETFを買う時に気づくのは、最低購入金額が数万円と意外に高いことだ。海外ETFは維持費が安いが、購入時にかかる手数料が、マネックス証券が25・2ドル、SBI証券と楽天証券が26・25ドル(1000株まで)と、コストがかさむ……。

このため、インデックス投資をする時、まず1万円から買えるインデックス・ファンドに投資し、まとまった額に達したらETFに買い換える「リレー投資」という手法がある。ただ、ETFへの買い替え時に、インデックス・ファンドの値上がり益があると税金がかかってしまう。

「リレー投資の善し悪しは、予算によりますね。海外ETFの手数料はおよそ25ドルなので、このコストを許容できる目安である1%に抑えるには、購入金額は20万円必要です。これが“最低ロット”になります。この20万円を貯めるのに4か月以上かかるのなら、仮に税金を取られることになってもインデックス・ファンドを購入してリレー投資をしたほうがいいでしょう。というのも、インデックス・ファンドを購入せずに貯金している4か月の間の機会損失がバカにならないからです」



藤田郁雄 氏

経営者、個人投資家。ITバブル期に得たオプションをリスクヘッジの一環としてオールドエコノミーへの投資に切り替え、その時からリスクに注視して資産を運用するようになる。ブログ「藤田郁雄の最適ポートフォリオ」(http://blog.livedoor.jp/ginzajin/)を運営。著書に『みんなの投資』(ダイヤモンド社刊)