創業家一族に大政奉還したトヨタ自動車をはじめ、今期は上場企業でトップの交代が相次いでいる。

「業績がボロボロになってくると、心機一転を図るという名目でトップの首をすげ替えやすいのです」とは、前出のT&Cフィナンシャルリサーチ・本吉氏。今のような危機のときに社長が代わると、会社も一気に変わる可能性がある。

「典型的な成功例は、やはり'99年の日産自動車。ゴーン氏の大改革でV字回復を果たしましたが、彼に代わっていなければ、とっくに倒産していたはず」

また、'02年にパナソニック(旧松下電器)が大赤字を出した場面では、中村社長(当時)が創業者・松下幸之助氏の教えを破ってリストラに踏み切るなどの大胆策を打ったことが奏功したという。

無論、市場はこうした変化に敏感に反応し、2社の株価もV字回復を遂げた。では、今回の社長交代劇で同じ期待を持てるケースはあるのか?

本吉氏はこう答える。

「東芝は次世代DVD規格の敗退や半導体の不振に苦しんでいますが、米国ウェスチング社買収に関わった佐々木氏が社長に就き、成長分野の原発で勝負する姿勢が鮮明に。製造業として過去最大規模の赤字を出した日立製作所も、グループ会社の社長だった川村氏を本体のトップに迎え入れ、変化を期待できそうなムードです」

ほかにも、『俺は、中小企業のおやじ』の著書がある鈴木会長が社長を兼務する体制となったのがスズキ。コニカミノルタHDでは、就任早々から松崎新社長が大ナタを振るうリストラを始めた。社員は戦々恐々だろうが、株価にとってはなかなかの刺激材料かも。

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