'08年、上場企業の倒産件数は33件と、戦後最悪の水準となった。しかもそのうち19社は、直前の決算が黒字だったにもかかわらず倒産に至る、いわゆる“黒字倒産”だ。今や、手元の運転資金が尽きて資金ショートを起こしてしまえば、決算が黒字だろうと赤字だろうと関係なく潰れてしまう。そんな、“倒産ラッシュ時代”において、「まずは、倒産しない安全な会社かをチェックしましょう」と言うのは、新光総合研究所・投資分析部の山本光孝氏。そこで、山本氏が算出したのが「z値」だ。


"総合的な安全性"を見て倒産しない企業を選別!

「z値」は「倒産確率」と呼ばれるが、要は企業の“総合的な安全性”を測る指標といえる。数値が高いほど安全で倒産リスクが低いという。一体、“山本流z値”はどうやって算出されているのか?
「例えば、どれくらい現金化しやすい資産を持っているかを見て、当面の返済能力・安全性をチェックしています。また、一人当たりのキャッシュフローや剰余金の多さなどから、収益力を見ています」
通常、「流動比率」や「当座比率」「売上高総利益率」などの定番の指標があるが、これだと企業の一面しか評価することができない。そこで、7つの独自のデータを用いて安全性、収益性、効率性、企業体力などの“総合的な安全性”を算出したのだ。

来期の業績がいいことは当然の条件に!

来期の業績がいいことは当然の条件に!
どんな大企業でも“突然死”する危険がある今の時代、倒産リスクを測るのは必要なこと。しかし、それだけでは十分ではない。

積極的なリターンを追求するなら業績がいいことが条件。そこで、『経常増益率』に注目したい」
今期経常利益10億円から、来期15億円なら、経常増益率は50%だ。しかし、実は今期が赤字だと、定義式から増益率は計算できない。

「今3月期は赤字に陥る企業が続出するでしょう。すると、増益率が算出できず、比較しにくくなってしまう。そこで、今期が赤字でも増益率が計算できるような特殊な式を用いました」

その式を使えば、今期経常利益がマイナス20億円で、来期がプラス10億円の場合、150%増益と計算されるという。特に、赤字から黒字へ転換する場合、“黒転”(黒字転換)といってマーケットでは非常に好感されるので、一緒に比較できる意味は大きい。

TOPIXを上回る底堅い銘柄が狙い目

「昨秋以降、どの銘柄も一緒くたに売られてきました。しかし、それでも、業績がいい銘柄のパフォーマンスは良好。少なくとも大きく値崩れしていなく、さらに今後、上昇が期待できるように、TOPIXをわずかに上回っている銘柄の得点を高く設定しました」

──倒産リスクが少なく、業績も好調、しかもTOPIXを上回って推移している銘柄なら、これからの相場でも上昇が期待できるかもしれない。

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山本光孝氏
新光総合研究所・投資分析部クオンツアナリスト。
上場企業の決算をもとに、さまざまな角度からデータ分析などを行う