東証にも続々上場。最も簡単に全世界に投資できる推奨銘柄はコレだ




一度で手軽に分散投資でき、おまけに投資信託よりも低コストなETF。なかでも、世界中の有望銘柄に投資が可能な海外ETFで確実にリターンを狙うための方法を徹底的に追ってみた! 達人による推奨銘柄付き!





まずはETFのキホンを押さえよう!


「たった1銘柄で世界全体に投資できるのは、ETFだけです!」

“インデックス投資アドバイザー”を自認するファイナンシャル・プランナーのカン・チュンド氏は、ETFの魅力をこうひと言で表す。

ETFはTOPIXやアメリカのS&P500といった指数(インデックス)に連動するよう組成されている。例えば、S&P500に連動するETFなら、NY市場の500もの企業株式に1トレードで投資することができるのだ。

「分散投資のメリットは、何と言っても倒産リスクを極めて小さくできるところにあります。ETFはインデックス・ファンドの一種なので、これに投資することは『中国』や『先進国』という地域の株をまるごと買うのと同じことなのです。だから、個別株のように暴落して紙クズに……といったことはあり得ない。また、FXのように相場が思惑と逆に動いた時に強制的にロスカットされるということもありません。追証(追加証拠金)が発生することもないので投資額以上の損失を被ることもない。最近、人気のCFDや先物の限月といった取引の期限もETFには設けられてません。数ある金融商品の中でも、とりわけ低リスクの投資方法と言えますね」

ETFは「上場投資信託」という正式名称の通り、株式市場に上場されており、個別株と同じように売買ができる。

「個別株に投資する場合、PERやPBRをはじめ、企業情報やチャートの分析……と手間がかかるものですし、求める銘柄を探すだけでも一苦労です。これに対してETFは市場の平均点に投資するので、とにかくラクなんです(笑)。専業のトレーダーなら1日中、相場に張り付くこともできますが、仕事を持つ一般の人には無理な話です。かといって、仕事の傍らボラティリティの高い金融商品に投資して、値動きが気になって夜も眠れない……などという経験をした人も多いでしょう。低リスクのETFへの投資はそんな気苦労とは無縁で、購入したら基本的には放っておけばいい(笑)」




極めて低いコストがETFの最大の魅力!


ETFはインデックス・ファンドの一種と先に述べたが、では違いはどこにあるのだろうか。

「例えば、S&P500を投資対象にしているETFと投信の中身は一緒ですが、まず一つ目の大きな違いは、投信が1日に1回、終値でしか値がつかないのに対し、ETFはマーケットが開いている時間はいつでも値がついて売買可能で、価格も刻一刻と変化する点です。投信は終値でしか値がつかないため、自分が買いたい商品の値段がわからない……といった不条理なことが起こるが(苦笑)、株式市場に上場されているETFなら指値で買うこともできる。二つ目の違いは、投信には償還期間があり保有できる期限があるものもが、ETFは無期限に持っていることができる点です。そもそもインデックス投資は10年、20年と長期間投資することでリターンを期待するものなので、保有期間が無制限であることは、実はとても重要なのです」

そして、三つ目の投信との相違点こそが、ETF投資の最大のメリットだとカン氏は力説する。

「とにかくコストが安い。ファンドマネージャーが、ベンチマークとする市場平均などの指標を上回るように、ファンドの組成銘柄を組み替えたりして積極的にリターンを狙うアクティブ・ファンドの信託報酬は2%という銘柄のものもありますが、市場平均など指標そのものに連動するインデックス・ファンドはその半分以下のコストで投資ができます。さらにETFとなると、信託報酬が0・7%以下のものが多く、中にはトラッカー・ファンド・オブ・ホンコンのように、信託報酬が0・1%以内のものもあります。一見、わずかに思えるコストの差も、長期投資では後々リターンに大きな隔たりをもたらすので、低コストは大きな利点と言えるでしょう」

とはいえ、市場の平均点に投資するETFには「儲からない」といった誤解が付き纏う……。確かに、平均点以上に儲かることはないし、「1年で10倍!」といった夢のような話もない。リーマンショック時の新興国のように、インデックスそのものが半値に暴落することさえあるのも事実だ。

「実際、ETFに代表されるインデックス投資は地味だし、正直言って、面白みはあまりない(苦笑)。ただ、儲からないというのは、まったくの誤解です。過去20年で4倍になったNYダウに乗っかれば、リターンは4倍になっているわけですから。また、有名ファンドマネージャーが運用するアクティブ・ファンドに比べても、インデックス・ファンドは長期投資になればなるほど好成績を収めてます。結局、コストがリターンを圧迫するアクティブはインデックスに勝てないんです」





カン・チュンド氏

インデックス投資アドバイザー、ファイナンシャルプランナー。晋陽FPオフィス代表。'03年よりETFに注目し、普及に勤しむ。「日本のビジネスパーソンに、シンプルで継続しやすい資産運用を啓蒙すること」をモットーに、各種マネー系セミナーも精力的に開催。著書に『日本人が知らなかったETF投資』(翔泳社刊)など