深刻化する一方の経済危機の中、倒産リスクに直面している企業が増加している。だが、どの銘柄が倒産の危機に瀕しているのかを見分けるのは容易ではない。そこで知っておきたいのが、要注意企業に対する警告である「継続疑義」だ。東京商工リサーチ情報部・友田信男氏が言う。


「『継続疑義』とは、有価証券報告書などの決算書の『継続企業の前提に関する注記』といった項目に『重大な疑義』という注意書きがある状態を指します。簡単に言えば“この会社は危ない”と監査法人が注意喚起しているのです」

昨年、33社あった上場企業の倒産のうち、実に9社に継続疑義が付いていた。継続疑義の有無は、企業倒産を占う上で重要な判断材料になると言えよう。

「ただ、約4000社の全上場企業のうち、継続疑義が付いているのは約220社。継続疑義が付いたからといって直ちに倒産するわけではありません。その中身を精査すべきです。例えば、『2期連続赤字で、このままでは債務超過に陥る恐れがある』という程度だったら、よくあるパターン。
ところが、『社債償還のための資金調達ができていない』とか『銀行との融資契約における財務制限条項に抵触している』といった資金繰りに直結する注記は重大です」


継続疑義より重大な局面を迎えると、監査法人は「監査意見不表明」を下すことがある。継続疑義がイエローカードとすれば、意見不表明はレッドカードだ。

「意見不表明のままだと、決算書が無効なので上場廃止に繫がります。それを防ぐため、緩いと評判の監査法人に監査を頼むなど次善策を採ろうとしますが、そうこうしている間に、決算が終了後45日以内と定められている財務局への決算書提出が遅れることがあります。決算書の遅延は、企業に重大な問題があることの裏返しですから、警戒しなくてはなりません」

近年、会計監査はより厳密になっており、監査法人の意見は重要性を増している。投資をする前には、投資先企業の注記の有無と、その内容について、必ず把握しておきたい。

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友田信男氏
信用調査会社「東京商工リサーチ」情報部統括部長。
国会で意見を求められるなど、日本で最も企業倒産の情報に精通する。