欧州危機や米国の景気減速懸念、失業率増大など多くの悪材料が重なり、9月以降、1ドル=75〜78円の円高水準が続いている。外貨買いは円高に弱いが、放ったらかしで24万円近くも儲けたのはトラリピ犬氏。その秘密は、徹底的なリスク管理と、円高局面でも利益を生み出す「売りトラリピ」だった!




資金管理をしっかりし「売りトラリピ」で円高を収益チャンスに



円高ですか? 1ドル=50円とかになったらさすがにマズイですが、この程度なら大丈夫。想定の範囲内です」と言うのは、FXブロガーのトラリピ犬氏。名前の由来でもある「トラリピ」とは「トラップリピートイフダン」の略。同じ価格帯で上下動を繰り返すことが多い為替市場の特性を利用して、レンジの中で複数のイフダン注文を仕掛け(トラップ)、しかもそのトラップを何度も自動で繰り返すリピート機能を併せ持つ自動売買的な発注機能だ。

「1豪ドル=75〜90円の間で50銭下がるごとに買い、買ったポジションが5000円分の利益になったら利益確定する、というように設定しています。一度設定すれば、あとはほったらかしでも自動的に繰り返してくれるんです」

トラリピ犬氏は終電帰宅は当たり前、職場で夜を明かすことも珍しくないほどの多忙なサラリーマン。そのため、ほったらかしでも収益チャンスを逃さないトラリピを活用。昨年150万円でFXを始めて以来、現在700万円を超えるほどの資産に膨らんだ。

一般的に「外貨投資は円高に弱い」とされる。円高とは「円の価値が高まる=外貨の価値が下がる」ということだから、"外貨を買う投資" では、円高が不利になるのは当然のこと。

トラリピトレーダーは数あれど、多くはFXで利息にあたるスワップ金利をもらいやすい「買いトラリピ」が中心だろう。「買いトラリピ」が強みを発揮するのは上がり下がりを繰り返すボックス相場、もしくは上下動を繰り返しながら緩やかに上昇していくような相場である。そのため、今のような円高局面では、買ったポジションを利益確定させるのが難しくなりがちだ。




"緩衝材" の「売り」も交ぜて、打撃を軽減



FXでは「買いスタンス」だけで窮地に追い込まれた投資家も少なくないが、トラリピ犬氏は「買いのトラリピ」だけでなく、「売りのトラリピ」も活用することで昨今の極端な円高を乗り切り、9月1日から10月2週目までで23万9838円の利益を生み出した。

「売りトラリピ」は買いとは逆で、「1豪ドル=82円で売って、50銭下がったら利益確定」、さらに「81円で売って、また50銭下がったら利益確定」と、円高局面で利益を生み出すやり方だ。「売りトラリピ」の魅力とは?

「『買いトラリピ』だけだと円高局面で苦しくなりますが、『売りトラリピ』はそれを防ぐための手法。『売り』なら円高局面での収益機会を増やすことができるので、円安(上昇局面)のときは『買いトラリピ』に稼いでもらって、円高(下落局面)のときには『売りトラリピ』が稼いで打撃を軽減してくれる。円高のときに利益を生み出す『売り』を交ぜることで "緩衝材" の役目を果たしてくれるんです」

トラリピでも、「買い」と「売り」の両方を行うことで "円高でも困らない仕組み" をつくることができるのだ。しかし、売りトラリピは、スワップ金利が「支払い」になるというデメリットもある。

「僕は豪ドル/円を中心に運用していて、スワップ金利は一日120円程度。スワップ金利を日々支払うのは確かに精神的な打撃がありますが、一回の決済益は5000円ですから、約40日以内に決済できればスワップ金利の支払いを考慮しても利益が出ます」


1豪ドル= 55円まで耐えられる資金管理



「メインである豪ドル/円は1豪ドル=75〜90円の幅に50銭刻みで買いトラリピを、1豪ドル=80〜90円の幅に1円刻みで売りトラリピを仕掛けています。利益確定は両方とも5000円です」

豪ドル/円は、10月には72円台まで円高が進んだ。80円以下でも売りを仕掛けていれば、もっと利益を生み出せたのでは?

「確かにそうですが、70円台の安いところで売ってしまうと、売りのポジションが塩漬けになってしまう危険性があります。70円台は売るのではなく、むしろ買いを仕込む時期だと考えています」

買いは合計30本、売りは合計10本とずいぶん差があるが。

「メインはやはり買い。売りのトラリピは積極的に稼ぐというより、円高に対する〝緩衝材〞としての位置づけなので、売りの比率を少なくしています」

でも、トラリピでは注文の設定以上に大切なのがリスク管理。具体的には、「円高に自分の資金がどこまで耐えられるか」だ。

「僕の場合は円高局面だと1豪ドル=55円を割っても耐えられるようにと考えています。リーマンショック後の安値が1豪ドル=約55円でしたから」

そのリスク管理のおかげで、1豪ドル=72円まで円高が進んでも、気持ちにゆとりを持って、ほったらかしができていたという。この円高に耐え、10月4日からの反発で一気に利益を確定することに成功! トラリピ犬氏は9月1日〜10月17日で約24万円もの利益を生み出すことができたのだ。リスク管理をしっかり行い、「売り」も活用すれば、円高でも十分な利益を出すことができるトラリピ。両建てトラリピは、今の時代に合った手法なのだ。


トラリピ犬氏

FX口座へのログインは週末のみの放置派トラリピトレーダー。20代のサラリーマン。元手150万円から始め、1年9か月で口座残高は720万円に達する。
http://ameblo.jp/hoshi5/