年金、ゆうちょマネーetc.[公的資金で株価維持]は本当か?


日経平均7000円割れによる「3月危機」を回避しようと、マーケットでは年金資金による株の買い支えが囁かれているが、本当に年金資金の買いは入っているのか? また、ゆうちょマネーや株式取得機構等による株価維持策の実現度も探ってみた



【年金資金】
外国人の売りが続く中で、年金資金が買い支えていた!


3月に日経平均7000円割れなんて事態になると、“3月危機”が現実のものとなってしまう。そこで、にわかに話題となったのが、年金資金による株の買い支え議論だ。厚生年金や国民年金に積み立てられた年金資金を運用しているのは、「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)」。独立しているとはいえ、国に近い存在だけに、いわゆる“PKO(株価維持策)”として日本株を買っている、との憶測が飛び交っている。

「外国人投資家は、日本株が割安かどうかは一切無視し、ひたすら機械的に売り、年明けから3月1週目まで8週連続、約2.2兆円の売り越しとなっています」(マーケット関係者)


そのせいで、何度となく7000円割れの危機に陥ったが、間一髪で回避し、3月半ばには8000円付近まで反発した。年初から外国人投資家が日本株を強烈に売り越しているにもかかわらず、日本株が底堅かった理由を、第一生命経済研究所の永濱利廣氏は、次のようにみている。

「GPIFは中期的な運用目標に応じて、あらかじめ基本のポートフォリオを定め、国内債券・株式、外国債券・株式等に一定割合を投資しています。株安に伴って日本株の占める比率が所定の数値を下回ると、その調整のために買いを入れることになります。言わば、下がれば下がるほど買うロジックなので、結果的にGPIFは市場の安定化装置的な役割を果たしているのです」

もっとも、原則としてGPIFは直接運用に携わらず、信託銀行に実際の取引や資金の管理を委託している。このため、GPIFの注文は、すべて信託銀行を経由して、野村・大和・みずほ証券に出されるため、実態はなかなか把握しづらい。が、昨年9月のリーマンショック以降、外国人が売り続ける一方で、信託銀行がせっせと買っているのは事実だ。


「信託銀行の買いの約7割をGPIFが占めると言われています。2時半頃に入る大量の引け成り注文が入っていましたが、それはGPIFだと考えられています。以前は一日200億円程度でしたが、2月末頃から、『信託銀行経由で、コア30銘柄を中心に400億円のバスケット買い注文が入った』という情報が伝わってくるようになりました。外国人投資家が売っている今、これほどの金額を買えるのは、年金資金以外には考えらません」(マーケット関係者)

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永濱利廣氏
第一生命経済研究所・主席エコノミスト。
早稲田大学卒業後、第一生命保険などを経て現職。
著書に『経済指標はこう読む』(平凡社新書)など