中国への投資にチャンスがあるなら、BRICsとひとくくりにされるブラジルやロシア、インドのほか、東南アジア諸国やVISTAなど中国以外の新興国への投資はどうだろうか?
戸松氏は、次のように解説する。

 「中国の1人当たりGDPは約3000ドルなんですが、これを超えると加速度的に経済成長するとよく言われているんです。ブラジルは8000ドル、ロシアは1万1000ドルと高め。一方、インドとベトナムは1000ドル程度で長期的には魅力的ですが、まだまだこれから」

 結局、バランス的にも中国がちょうどいい、ということのようだ。「インドは人口の多さで中国と比較されますが、両国の違いは貿易収支にあります。インドは貿易赤字ですが、中国は貿易黒字。貿易黒字は、国全体が貯蓄をため込んでいるということ。だからこそ、中国は4兆元、'08年GDP比で約13%という大型財政支出ができるんです。インフラ整備などを見ても、インドは中国に比べ、10年は遅れている印象です」(戸松氏)

 現段階の投資対象としては、中国が群を抜いているようだ。最近では、BRICsに代わって「チャインドネシア(中国、インド、インドネシア)」という言葉も出てきているが……。

 「確かにインドネシアは、世界4位の人口で資源も豊富で黒字体質。ただし、今のGDP成長率は前年比4〜6%程度で、中国と比べると成長力があまり高くない。まだまだ主要な産業が育っていないと思います」(同)

 「インドネシアを含むASEANと中国は自由貿易協定を結んでおり、中国を軸とした巨大な商圏として今後が注目されています。ただASEAN諸国は、株式市場の規模が小さく、未整備の段階。個別株の情報も少ないという問題もあります」(田代氏)

 中国に続く国にいち早く投資しておきたいという方は、ファンドから入るのがいいだろう。


戸松信博氏
グローバルリンクアドバイザーズ代表取締役。
中国やベトナムに詳しいテクニカルアナリスト。
著書に『「世界金融危機後」に狙う中国株』(角川SSC刊)など






田代尚機氏
TSチャイナリサーチ代表。
大和総研の中国株担当アナリスト、内藤証券などを経て独立。
著書に『レッド・センセーション好機到来!今こそ中国株』(角川SSC刊)など






日本アジア証券 http://www.ja-securities.jp/
アジア8か国の金融、証券市場に精通する経験豊富なプロを擁する、アジア投資のエキスパート。
前身の金万証券から数え創業107年目の伝統。



中国株に定評ある証券会社は?


 一口に「中国株」と言っても、実は中国本土市場(上海市場)に上場するA株とB株、香港市場に上場するH株の3種類がある。A株は、基本的に中国国民だけしか取引できない閉鎖的な市場だ。B株は外国人にも開放されているが、銘柄数が100銘柄程度でしかなく、市場規模はA株の235分の1程度。

 H株は香港証券取引所に上場する中国企業株のこと。香港市場は銘柄も多く100年以上の歴史を誇り、1日の売買代金も世界8位だ。最近のハンセン(香港)指数は、上海総合指数とは別の動きを示していて、上海総合指数が8月に約23%下げたのに対し、ハンセン(香港)指数は約7%の下げにとどまっている。

中国株は主要ネット証券でも売買できるが、左の証券会社は中国株・新興国株投資に定評のあるところ。手数料や取扱銘柄数、ツールなどを比較して、使い勝手のいい証券会社を選ぼう。