日本のバブル崩壊の端緒となったのは、政府が投機的な土地価格高騰を防ぐために行った不動産融資に関する総量規制だったとされる。「確かに中国も'09年7月に新規融資を絞りましたが、過度な心配は無用でしょう」(戸松氏)というから、中国の経済も株価も、続伸が期待できそうだ。

 「'07年は10%以上のGDP成長をしてきましたが、さすがに今はそこまで高くはない。しかし、今4—6月期(2Q)は7・9%と、政府が安定成長ラインとしている8%に迫る成長率を記録。今後も8%程度の成長が続くかをチェックしたいですね」(田代氏)


 ただし、8%を大幅に上回る水準が続くようであれば、インフレを懸念して、金融引き締めが起きるかもしれない。10月10日頃に発表される中国の3QのGDP成長率には注目だ。

 肝心の銘柄の選択について、戸松氏は「初心者は銘柄の選択で迷わないETFか投資信託がいいでしょう」と言う。東証には「上場インデックスファンド中国A株(パンダ)CSI300」という上海A株などと連動するETFが上場しているので、株の売買と同じ感覚で、簡単に中国に投資できる。投信は1万円から買えるが、金融機関によって販売手数料が異なる。「三井住友ニュー・チャイナ・ファンド」はノーロードもあり、気軽に積み立て可能だ。

 個別銘柄の選択については、田代氏は景気回復に敏感である銘柄を探すことが重要だと言う。

 「景気回復は産業の川上から波及します。鉄鋼、セメント、エネルギー、機械など。これらのセクターの主要企業の株を買っておいて間違いはないでしょう」

 一方、売りのタイミングについては、金利の動向に注視したい。

 「金利を何度も引き上げても過熱感が収まらず、株価の高騰が続く状況は、大きな調整がやってくるリスクが高まっています。そんな局面では、売りのタイミングだと考えるべきです」(日本アジア証券外国エクイティ部)

 戸松氏は「ハンセン(香港)指数はアメリカの影響を受けやすい。アメリカが利上げしたり、財政出動をやめるとなると、危険信号です」と警告し、田代氏も「NYが上がれば香港も上がる、しかしNYが下がれば香港はもっと下がる」とアメリカとの連動性を指摘する。中国株に投資する際には、中国国内の事情ももちろんだが、アメリカ経済の動向にも注意を払っておく必要がある。


 「中国株のPERは20倍台。まだまだバブルにはほど遠いですが、過熱感が出てきてから飛び乗るなら、バブルと心得たうえで乗るのが無難でしょう」(戸松氏)









戸松信博氏
グローバルリンクアドバイザーズ代表取締役。
中国やベトナムに詳しいテクニカルアナリスト。
著書に『「世界金融危機後」に狙う中国株』(角川SSC刊)など



田代尚機氏
TSチャイナリサーチ代表。
大和総研の中国株担当アナリスト、内藤証券などを経て独立。
著書に『レッド・センセーション好機到来!今こそ中国株』(角川SSC刊)など




日本アジア証券 http://www.ja-securities.jp/
アジア8か国の金融、証券市場に精通する経験豊富なプロを擁する、アジア投資のエキスパート。
前身の金万証券から数え創業107年目の伝統。