マネージド・フューチャーズは、「先物取引」で利益を稼ぐヘッジファンド。投資対象は、株や債券、通貨といった金融商品から、原油、金属、農産品といったコモディティまでさまざま。世界中のあらゆる投資対象に分散投資するのが特徴だ。

なぜマネージド・フューチャーズは、ほかのヘッジファンドが惨敗するなか、高利回りを実現できたのか。

「先物ならではの利点が生かされたからでしょうね」と語るのは、ファ
イナンシャルプランナー(FP)で、FPオフィス、ファーストプレイス副社長の小林基男氏。

ヘッジファンドは、金融機関からの借り入れでレバレッジ運用を行うものが多い。顧客から集めた資金に同額の借入金を合わせ、レバレッジ2倍で運用するといった感じだ。

「ところが、金融危機で世界の金融機関は火の車になり、お金を貸してくれるところがなくなりました。唯一、借金をしなくても、10分の1程度の証拠金さえ入れれば先物取引ができるマネージド・フューチャーズだけが、金融危機後の収益チャンス
に乗れたのだと思います」(小林氏)

グローバル投資家の浅川夏樹氏も、「昨年の金融危機以来、マネージド・フューチャーズを中心に購入しています。先物市場で運用するため、流動性が優れている点も魅力ですね」と語る。

13年間で540%も!
長期で考えるなら
いまは絶好の「押し目」?


ヘッジファンドは相場の騰落がはっきりしているときに上がりやすい。今年に入って騰落のない凪相場になったため、マネージド・フューチャーズも運用成績がやや低迷している。

ただし、長期投資を考えるなら、いまの状況は、むしろ「押し目買い」の好機かもしれない。オーストリア生まれの世界有数のマネージド・フューチャーズ「スーパー・ファンド・ジャパンA」は13年間で540%、欧州最大の運用会社、マン・インベストメンツの「マン・AHL・マイルストーン」は10年間で140%もの利回りを実現している。

また、「マン」などのマネージド・フューチャーズのうち、償還期限があるクローズド・エンド型の中には、満期まで保有すれば、基準価額が設定時を下回っても、元本が戻ってくる、実質「元本確保型」もある。




冨田信太郎氏
ヘッジファンド、ブルーベア・インベストメント・マネジャーズ代表取締役社長。
関西学院大学卒業後、国内証券会社、HSBC証券、ゴールドマン・サックス証券などを経て’06年7月から現職。



木下晃伸氏
経済アナリスト。
中央三井信託銀行、三菱UFJ投信などを経て株式会社きのしたてるのぶ事務所設立。
アナリストとして国内上場企業1000社以上を訪問取材



小林基男氏
ファイナンシャルプランナー。
旧国際証券(現三菱UFJ証券)などを経て、'01年に投資運用アドバイスを行うファーストプレイスを設立。
近著に『サラリーマン副業ガイド』(小社刊)