FPG&遠藤照明の買い、建設株の空売りで成功!



資産を半減させた五月氏の反撃は、3月末から始まった。

「まず考えたのは、原発問題によって恩恵を受ける太陽光やLED関連銘柄。今後、長いテーマになって業績に反映される期待があるのに、震災前より株価が安いのはおかしい、と考えていました」

その一例が商業施設のLED照明を扱う遠藤照明。3月30日に650円前後で買い、4月21日に約1.6倍の1100円で利益確定。

その一方で、復興関連で買われていた建設株は空売りした。

「地震直後に短期資金が入って建設株の株価は上昇しましたが、業績は一時的な特需だけ。それを織り込めば換金されてほかのテーマ株に資金が移るので、ずっと高値で支え続けられるとは思えなかった。東洋建設とか熊谷組、若築建設など、建設株の空売りだけで3000万円くらいは取れました」

また、震災とも復興とも関係ないFPGという銘柄でも儲けた。

「昨年9月に上場したIPO銘柄で、全然手垢がついてなくて忘れられていたんですけど、4月5日に中間の業績を+75%も上方修正したんですよ。これは相当インパクトがある数字だと思って、翌日ギャップアップ(窓を開けて上昇)したところを1600円台で買いました。震災後に大きく売られていたので、上方修正のニュースでギャップアップしたといっても震災前に戻った程度で、数字のインパクトを考えるとほぼ下値不安がない状態。しかも、通期の上方修正に期待が持てたので、 待っていれば一回は確実に材料がもらえるはず。いずれ株価は上昇するという期待値のほうが高かったですね」
 
20日後の4月26日、新しく航空機事業へ参入すると発表したFPGの株価は突如、上昇を始めた。1600円台だった株価は、5月9日に4000円台まで上昇した。「そこで売れればよかったんですけど、そこから3000円台前半に落ちてきたところで利益確定。4500万円のプラスでした」

そんな五月氏が今、注力しているのがフェローテック。もとは半導体製造装置の会社だが、太陽電池の製造装置が急成長している。

「買ったのは震災前の2月。業績の上方修正を出したので1500円くらいで飛びつきました。業績成長に勢いがあって、これは先行き好調だろうと。震災後はクリーンエネルギー関連がテーマになっていますが、思惑が外れる可能性がある銘柄と違い、今の時点で過去最高益を更新している点もよかった。クリーンエネルギー関連の中でも現状のファンダメンタルズはピカイチだったので、震災後にもポジションを増やしました」

6月3日現在、同社の株価は2000円前後。五月氏の買値から30%以上も上がっている。昨今の日本の株式市場にこれだけ短期間で2〜3倍になる株があったこと以上に、それらをピンポイントで発掘する五月氏の洞察力には驚愕する。新世代スイングトレーダーの資産は今も高値更新中だ。



五月氏

投資歴6年の28歳。昨年末のコミケで、過去の粉飾決算の事例を精査、騙されない方法などをまとめた同人誌『東方粉飾劇』(税込756円)を発売し、1200部を売り上げている。こちらは「とらのあなWebSite」(http://www.toranoana.jp)で購入できる