金投資に行き着く人々が続出中の今。この勢い、やはり本物なのだろうか。金相場のスペシャリストの亀井幸一郎氏に話を聞いた。

 「今年の1月16日以降、金を取り巻く環境は一変してます。もともと不景気に左右されない『金』は5年前から注目されてましたが、この盛り上がりは金価格の固定レートが廃止されて以来の活況と思えるほど。最大の要因は、機関投資家である年金基金や、当たり屋のヘッジファンドの参入です」

 本来、ヘッジファンドは短期間での利益を目指すのが常。しかし、足元の金への投資は明らかに中長期での利益を目標としているとみられるところもある。参入の最大の理由は、将来のインフレを見越してのことだといわれている。

 「目下はデフレですが、中長期的にはインフレになるとにらんでのこと。というのも、インフレで得をするのは借金がある人。今一番借金があるのは日本やアメリカなどの『国』です。それほど将来のインフレを思わせる超低金利金余り政策が取られているのです」

 インフレでドルが弱くなれば、金価格は上昇する。今はまだ、投資の素人が金を売って、プロであるヘッジファンドが金を買い漁っている局面だが、金投資の魅力に皆が気づき始めれば、急激な追い風で?金バブル〞の可能性も十分だとか。とはいえ、投資する際には注意が必要だと亀井氏は言う。

 「いくら"安全資産"とはいえ、価格変動リスクはあるので、長期にわたる分散投資などのリスクヘッジが必要となってきます。短期でものすごい利益が出るという性質のものではないので、じっくりと腰を据えることが大切でしょうね。とにかく、今は過去に例がない事態なのです」

 長期で安定感を誇るといえど、やはり投資には変わらないのである。リスクを考えた立ち回りが必要なのである。





亀井幸一郎氏
マーケットストラテジィインスティチュート代表。
金融・貴金属アナリスト。
ブログ http://blog.goo.ne.jp/msi021112