日本株で大儲けは難しい――。多くのトレーダーがそう思いFXに流れたあとも、日本株のトレードにこだわり技を磨く。デイトレ派⇒スイング派に転向して3億円を稼いだ猛者や、1銘柄のストーカー売買で1億2000万円を達成したツワモノなど、リーマンショック後も、その技を駆使して大儲けしていた若手トレーダーたちの驚きの手法に迫った!



スイングで3億円、デイトレで1億2000万円!
軟調な日本株でも億超え達成するツワモノの手法を盗め




デイトレからスイングに手法を変えて大成功!〝旬テーマ+業績好調〞短で2倍になる銘柄発掘法


「相場を見ていたら、けっこう大きな揺れが来て、直後に停電。信用分も含めて4億円分の買いポジションを持っていたので、これで人生終わったかなと思いましたね」

東北在住の個人投資家・五月氏は3月11日をこう振り返る。

’05年5月に元手65万円で株式投資を始め、昨年10月に資産1億円を達成。さらに4か月で2億3000万円まで資産を増やしていた状況で、東日本大震災に襲われたのだ。

「被害の全貌も判明していなかったのに、翌日には停電が直ったことで、甘く見ていた部分がありました。年末からのファンダメンタルズの良さを考えれば、これは押し目になる可能性もあると思って、震災明けの14日に買っちゃったんです。しかも復興銘柄ではなく、株価が上がってしまったために欲しくても買えなかった自動車部品関連などの製造業の株。明らかに冷静さを欠いていましたね」

そして15日。日経平均株価は9442円で寄り付いたものの、一時8228円まで、実に1200円以上も急落した。

「放射線の数値が跳ね上がって、もはやマーケットの枠を超えた危機に突入していた。僕も生き残ることだけを考えて、信用で買っていた銘柄は全部ぶん投げました」
 
15日終了時点で資産評価額は1億2000万円。わずか2日で約半分になっていた。

「退場した人も多いなか、よく1億円も残ったなと。ここから再起を図るしかないと思っていたら、乗るのは怖かったけど翌週からの相場が意外と強くて、逆転の目もあるかもしれないな、と感じながらトレードしていました」


デイトレからスイングに手法を転換して成功!


6月頭時点の口座残高は3億円を突破。驚愕の早さで資産を回復させた五月氏の投資手法は、ファンダメンタルズを重視したスイングトレード。しかし、以前は短い時間軸のトレードが中心だった。

「'05年は何を買っても上がる幸せな相場だったので、買ってほったらかしておけばすぐに2〜3倍になった。でも'06年のライブドアショック以降は、持ち越すリスクがあったので乱高下する相場で、信用全力のデイトレ。'07年には少しテクニカルで値動きにトレードの根拠を見出すようになり、'08年のリーマンショック直後は空売りのスキャルピングばかりやってました。それで資産が2000万円ぐらいになった頃から、リスクを取って利益を伸ばすスイングトレードを始めました。めちゃくちゃリターンが上がるのを見て、これまで悔しい思いもしてましたらか」

それからは、企業が東証に提出する適時開示情報を毎日チェックしたり、四半期ごとの決算発表時期には「株価が決算によって作られない銀行と建設以外の3000銘柄くらい」の決算短信に目を通すなど、もともと好きだった企業分析に力を入れた。

「決算短信でみるのはほとんどが表紙だけ。前年同期比や通期と中間の予想に対しての進捗率に注目しています。業績がいい銘柄に関しては、上方修正がありそうか、上方修正したときのPERは何倍か、というのを判断します。これだけ情報を見ても、そこから実際に投資アイデアに結びつくのは何百に1つあるかないかという確率ですけど、市場外でできることはこれくらいしかないんで」

さらに、大きなお金がどういう銘柄に向かうのかを観察する。

「業績がよくて割安でも、お金が流れてこない銘柄を買ったら長く待たされることが多い。どういうテーマが注目されていて、資金がどこからどこに流れているのか、というのは気にしていますね」

昨年2月には第3四半期決算で業績がよかった東証二部に上場している自動車部品関連銘柄など、製造業の小型株に分散投資。

「'09年に一部上場の自動車部品関連大型株が上がっていたのに、小型株は放置されていた。日経平均と東証2部指数を比較しても、東証2部指数が明らかに出遅れていたので、見直されれば上がると思い70〜80銘柄に分散投資しました。そしたら直後に株価が上昇して2〜3倍になりました」

さらに、昨年10月にはアメリカのクラウド最大手・セールスフォースとの連携を発表したシナジーマーケティングに資産の半分を突っ込むと、株価はわずか2か月で3倍以上になった。

「セールスフォースはきれいな上昇トレンドを描いていて、PERが230倍になるほど成長を期待されていたクラウド関連銘柄。すごく大きなテーマなのに、日本にはクラウド関連の代表的な銘柄がなかったので、セールスフォースと提携したシナジーが本命になるなら、資金が集中してもおかしくないと思ったんです」

数か月で2〜3倍になる銘柄を続々発掘した五月氏の選球眼は、大きく資産を減らした震災直後にも発揮されることになる。


五月氏

投資歴6年の28歳。昨年末のコミケで、過去の粉飾決算の事例を精査、騙されない方法などをまとめた同人誌『東方粉飾劇』(税込756円)を発売し、1200部を売り上げている。こちらは「とらのあなWebSite」(http://www.toranoana.jp)で購入できる