しかし、そんな金も'80〜'98年にかけて、その価格は下落を続けていた。

「当時はヨーロッパ各国の中央銀行が、通貨統合に向けて金の投げ売りを始めていましたからね。それでも'98年がボトムでそれ以降ものすごいスピードで上昇しています。すでに、ドルベースでは前回のピークだった’80年の価格を超えているほどです。将来的には、2倍、3倍まで上昇する可能性もあると思いますよ」



 ほかの金融資産であれば、一度の恐慌でその価値がゼロになる可能性がある。しかし、金は一時的に下がったとしても決してゼロになることはない。長期的に見れば、その価値は絶対的に安定しており、さらに埋蔵量が限られていることから将来的な高騰も見込める。

 「今の私の投資の中心は金。むしろ、金以外に何に投資するのか? というくらい。少しでも資金に余裕ができるとすぐに買っていますし、今後投げ売りのタイミングがあったら喜んで買いますね。たとえ価格が下がったとしても、どんどん買いが入るので大丈夫です。米国債を多量に保有する中国、ロシア、ブラジル、ドイツなどは、米国債への不安から現物保有へとシフトしていますから」



"金"のオーラが運気を呼び込む



 そんな杉田氏が金への投資を始めたのは'00年から。今では、500g のゴールドバーを複数所持するまでに。

 「やはり金に投資するなら、純金積み立てでしょう。金は現物を持つ"安心感"が魅力なのに、先物やETFでは意味がない。それに、金が身近にあると自分のエネルギーが上がってくるんです(笑)。毎月の積立額がある程度たまったら、できれば現物を手元に置くことをオススメします」

 杉田氏曰く、金からは文字どおり金色のオーラが放出されているのだとか。氏はゴールドバーを肌身離さず、毎日握り締めることでそのオーラからエネルギーを吸収しているという。小さいものでも効果はあるのだとか。杉田氏は冗談交じりに言う。「金を握りながらトレードするとFXの勝率もアップしますよ(笑)

 オーラが見えるかどうか、勝率アップの真偽はともかく、そのずしりとした確かな重量感と輝きで、本能的に心が躍るに違いない。

 「そう考えると、金のデメリットは保管や持ち運びが難しいことしかない。それも銀行の貸金庫が月額1000円から借りられますから問題ありません。そもそも、こんなに素晴らしい資産であるにも関わらず、日本人は金を軽んじすぎですね。世界中で金の保有量が減っているのは日本だけなんです。日本人は政府を信用しているから、金以外の金融資産も安心だと思い込んでいるようですが、世界的にはそんなことはない。知り合いが70年代に中国に留学したときに、華僑たちは当たり前のように金を買い集めていたそうです。これからの時代、彼らの危機管理術を見習ったほうがいい。平和ボケしているかもしれませんが、日本だって'46年に新円切り替えをして、債券やカネが紙切れ同然になった過去を忘れてはいけません

 どんなに日本がヤバくなろうとも、金さえあればどこでも換金して生き延びていける。純金積み立ては、投資であるとともに、人類が誇る最強のサバイバル術なのだ!


杉田勝氏
FXスクール『Win-investJapan』会長。
ロンドン在住の元ヘッジファンドマネージャー。
数多くの優秀なトレーダーを育成してきた事から「FX先生」と呼ばれるようになる。
著書に『FX先生』(小社刊)など