1ドル=76円台まで円高が進行した後、為替介入が行われるなど、激しい動きとなっている為替相場。そんななか、基本のほったらかし設定に加え、短期的なボックス相場を狙って成功した、トラくま氏。その手法とは? また、円高局面での4人のトラリピトレーダーたちの結果はどうなったのか?




中長期のほったらかしも短期・小幅の取引もトラリピなら自由自在


「父親が定年前に突然、退職しちゃったんです。そうしたら急に自分の将来が不安になって、投資のことを調べ始めたんです」

32歳・独身、将来のお金が気になる頃。サラリーマン投資家のトラくま氏もそんな一人だ。

「株だと銘柄数が多すぎて選ぶ自信がない。そんなときにFXが目について、10万円で始めました」

ところが元手はあっという間にゼロに。自己分析した敗因は "心の弱さ" だったという。

「半年間のデモ取引でそこそこ増えたので入金して実際に取引を始めたのですが、損切りできなかったり欲張ってしまったり、デモと同じように取引できませんでした。だったら、"心の弱さ" を補うやり方でやろうと思ったのです」

そこで検討したのが、いわゆる自動売買のような取引だ。

「機械任せなら "心の弱さ" を補えると思って。でも誰かがつくったシステムに丸乗りするのも怖い。そこで、自分で簡単に設定できる『トラリピ』を始めたんです」

トラリピは「79円で買い、80円で利益確定」「78円で買い、79円で利益確定」といったイフダン注文を複数仕掛け(トラップ)、しかもそのトラップを自動で何度も繰り返すリピート機能を併せ持つ自動発注機能だ。

「忙しいときに3時間もデイトレして損すると精神的にも大打撃ですが、トラリピなら最初に設定したらほったらかしにできます」

1ドル=76〜80円のように一定のレンジで動いていれば、収益機会を逃さない便利な注文方法だ。



オセアニア2通貨で売りと買いの両建て


今年2月、50万円でトラリピを始めたトラくま氏。30万円を追加入金しながら、7月までに利益18万円と順調に増やしている。年30%の利回りを目標にしているが、なんと今のところは順調にきているという。見事な手腕だが、その秘訣とは?

「通貨ペアは豪ドル/円とNZドル/円で、買いと売りの両建てをしています。買いでは50銭下がるごとに買っていき、売り上がるのは1円ごと。売りポジションは買いポジションの半分になるよう調整しています」

売りトラリピを加えると円高局面でも利益が得られやすい半面、スワップの支払いが負担になりがち。買いトラリピを多くしているのは、スワップ支払いの負担を減らすための知恵だ。

売買は1000通貨ずつ、利益確定幅は500円(50銭)に設定している。だが、豪ドルとNZドルはともにオセアニア通貨で値動きはよく似ている。なぜ、この2ペアなのか?

「よく似ている2ペアだと情報やチャートの分析が1回で済んで楽なんです(笑)。それでいて、分散効果もあります。今は豪ドルが80〜90円、NZドルが60〜70円ほどのレンジを想定して注文を入れていますが、このレンジは月に1回くらい見直します」



10銭刻みで買い下がり短期トラリピを駆使


時間に余裕があるときは、デイトレ的なトラリピを短期間だけ入れることもあるという。

「6〜7月は米ドル/円が80銭幅くらいの狭いレンジで動いていました。そこで、『10銭刻みで3000ドルずつ買う』という設定もしました。1週間程度の短期間を想定し、17銭幅(3000通貨で510円の儲け)ですぐ利益確定。うまくいったらさらに1週間継続しますが、レンジを下に抜けてきたら、すぐに取り消します」

将来の資産構築へ向けて、トラリピが大活躍中だ!



円高急進! トラリピ投資家たちの戦果やいかに?


1ドル= 76円台まで円高が進んだ7月。トラリピトレーダーたちはどうだったのか?

「残念です! 私の仕掛けたドル/円のレンジを下抜けしてしまったので。まさか、ここまで円高が進むとは……」と悔いるのは、くも子氏。だが、この後悔は思ったほどの利益が取れなかったことへの後悔なのだ。

「7月は1万5000円の利益にしかならなかったので。もう少し下まで想定しておけばよかったな」(くも子氏)

一方、10万円を稼いだトラリピ犬氏は余裕の表情。

「レンジ幅を広く見ているので気になりませんでした。豪ドル/円でいえば87円から83円台へ落ちただけで、3か月間で見たらレンジ相場が続いていることに変わりありません。レンジなのでトラリピが威力を発揮して、合計30回の利益確定でした」(トラリピ犬氏)

「7月も収益率はいつもとほとんど変わりませんでした。カナダドル/円が狙っている値幅で動いてくれたので、確実に利益を取れました」(さーにゃ氏)

通貨ペア選びと想定レンジで差が出たもよう。円高とはいえ、下落幅の小さかった豪ドルやカナダドルは有利だったようだ。

しかし、4人全員が着実に利益をあげたのはさすが。そして8月からの注目が、「レバレッジ規制」。レバレッジの上限が50倍から25倍へ引き下げられた。

「8月はポジションを減らして様子を見ます。25倍のレバレッジに自分自身を慣れさせる意味も込めて」(さーにゃ氏)

たまには資金管理やレンジ幅などを見直して、収益機会を確実に捉えたい。