FX業界の新たなトレンドとして注目されている「自動売買サービス」。しかし、そのサービス内容は提供業者によって大きく異なる点に注意しておきたい。

「自動売買」と言えば、一般的には決められたロジックに沿って売買を行うシステムトレードのソフトなり、プログラムを購入して、自宅のPCで稼働するイメージを持つ人が多いだろう。確かに、日経平均先物などではそのようなシステムトレードが主流になっているが、FX業界の「自動売買」は若干異なる進化を遂げている。

というのも、FX業界における「自動売買」では「ソフトを購入して、自宅のPCで稼働する」よりも「サイト上に登録されている"トレーダー"や"システム"から気に入ったものを選ぶ」というタイプが定着しつつあるのだ。選ぶのが"システム"だけでなく"トレ
ーダー"も存在する点が特徴的で、それにより「自動売買サービス」は、「裁量系」と「システム系」の2つに分類できる。

「裁量系」とは、サイトに登録しているさまざまなトレーダーが行う裁量トレードに乗っかるタイプ。システムではなく人間を選ぶことになり、捉え方によっては「個人的にファンドマネジャーを雇う」ような形と言える。

「システム系」には、さらに細かく「サーバー型」「プログラム型」「カスタマイズ型」という3つの違いがある。

サーバー型」は業者のサーバー上で自動売買を行うもので、「プログラム型」はシストレのソフトを購入して自分のPC上で自動売買を行うもの。「カスタマイズ型」は「プログラム型」とほぼ同じだが設定を自分で行うものだ。

次からはこれらの違いによって、どのようなメリット&デメリットがあるのかを、代表的なサービスを紹介しながら解説しよう。



★裁量系★



敏腕トレーダーならシステム以上に稼げる!



まず、株や日経平均先物などでは見られないFX特有の「裁量系」の自動売買サービスを紹介しよう。

「裁量系」の仕組みは、まず腕に自信のあるFXトレーダーが「シグナルプロバイダー」として自動売買サービスを行っているサイトに登録。ユーザーはサイト上でシグナルプロバイダーの過去の成績や売買ロジックを判断材料にして、誰にトレードを任せたいかを選ぶ。すると、そのサイトに登録した自分の口座で、シグナルプロバイダーが行うトレードをリアルタイムで再現できるというサービスだ(必ずしも人間がトレードしているわけではなく、決められたロジックで売買注文を出すシステムが登録されている例もある)。

一見すると「ファンド」のようにも見えるが、あくまでも売買が行われる口座はユーザーが保有している口座で、その口座で自分が売買することも可能だし、シグナルプロバイダーのトレードが間違っていると思えば、自分で損切りすることもできる。

このサービスを行っている代表的なサイトには、海外に拠点を置く「ZuluTrade(ズールトレード)」と、日本に拠点を置く「トレードメッセンジャー」がある。

「ZuluTrade」は’06年に設立され、口座数が3万を超える世界的な自動売買サービスの老舗で、一方の「トレードメッセンジャー」は今年6月に始まったばかり。

ともに、使用できるFX業者が限定されているのが特徴で、「ZuluTrade」はFXCMやFXDD、FOREX.com、AVA FXなど海外の業者で口座を開設しないとサービスを受けられない。一方、「トレードメッセンジャー」は日本のサザインベストメントの口座でサービスを受けられるという点で使いやすいだろう。

しかし「裁量系」の自動売買サービスで問題になるのは、どれだけ優れたシグナルプロバイダーが登録しているか、だ。

「トレードメッセンジャー」に登録しているシグナルプロバイダーは170人で、8月の獲得p ips数1位が1358pipsなのに対し、「ZuluTrade」に登録しているシグナルプロバイダーは1200人以上で、1か月の獲得pipsが1万pipsを超えるシグナルプロバイダーも複数いる。もちろん、その中には絶対に選べないような無茶なトレードをするシグナルプロバイダーも多いが、数字だけを見れば「ZuluTrade」が圧倒している。

ただし「裁量系」では、自分が選んだシグナルプロバイダーが、含み損を抱えたまま突然トレードをしなくなる、というリスクもある。最初に「利益確定」と「損切り」は入力されているが、それが離れた位置にあると、驚くほどの損失を抱えるケースも。特に「ZuluTrade」は登録ユーザー数によって得られる報酬が変わるので、トレードを失敗するとその登録名を捨て、新たに登録し直し、新しいユーザー獲得を狙うシグナルプロバイダーも存在するのだ。選ぶ際には十分に注意し、トレード内容も監視しておこう。

「裁量系」の魅力は、世界のどこかにいるかもしれない超敏腕シグナルプロバイダーに乗っかれば、決められたロジックでしか動かないシステムトレードよりも大きな利益を狙える点。日本でも「どのシグナルプロバイダーが優れているか」を研究しているサイトや掲示板があるので利用してみよう。

また、「ZuluTrade」では「成績上位(儲かっている)のユーザーがどのシグナルプロバイダーを選んでいるか」がわかるので、それを利用してもいいだろう。ちなみに、成績上位のユーザートップ5には日本人が2人おり、1位の日本人ユーザーは今年の5月25日からの約3か月で12万pipsも稼いでいる。