2011/8/22 トレイダーズ証券「みんなのFX」

金曜日のドル円は、東京市場で一部外資系金融機関からと思われるまとまった買いが観測されると76.957円まで急騰した。しかし、市場が期待していた日銀による為替介入ではなかったことから、一転して売りが強まり76.50円前後まで反落した。欧州市場に入ると、欧州株式やGLOBEXのNYダウ先物が軟調な展開になり、徐々に上値が重い展開に。ドル円は76.30円付近まで軟化したものの、史上最安値水準ということもあり介入警戒感が意識され76.65円付近まで押し戻した。NY市場に入ると、本邦の財務相当局者が「頻繁に介入する計画はない」との発言が伝わると、為替介入が実施される可能性は低いとの見方が広がり仕掛け的な売りが観測され一時75.929円まで下落して史上最安値を更新した。しかしその後、複数のメディアが「日本政府、日銀が為替介入に向け海外当局との調整を検討」と報じると介入警戒感が高まったほか、週末のポジション調整目的の買いも加わり前日比-0.031円となる76.517円まで大幅に戻し取引を終えた。

ユーロ円は序盤、前日のNY市場終盤の堅調な地合いを引き継ぎ109円後半まで緩やかに上昇した。その後、一部外銀による買い観測により110.164円まで上昇したものの、日銀による介入ではなかったことで売りが強まり109.50円付近まで反落し「往って来い」の展開に。欧州勢参入後には、レーン欧州委員が「欧州連合(EU)はユーロ共同債について法案を作成する可能性」との発言に好感し、リスク回避姿勢が和らぐと110.268円の高値を付けた。NY市場では、史上最安値を更新したドル円の円買いの動きに伴って、ユーロ円も下押しする場面が見られたものの、その後ドル円が戻すとユーロ円も持ち直し前日比+0.420円となる110.172円で取引を終えた。


今週の展開


ドル円は、為替介入の警戒感が下値を支えしていたものの、米国の景気減速懸念を背景にドル売りが進行し、ついに史上最安値を更新。今月8日開かれた先進7カ国(G7)で採択された「国際金融市場安定に向け協調行動を取る」との声明に基づき「日本政府、日銀が為替介入に向け海外当局との調整を検討する」との報道もされているため、為替介入に向けてカウントダウンに入っているのかもしれない。

今週の米国イベントは、23日新築住宅販売件数、リッチモンド連銀製造業指数、24日MBA住宅ローン申請指数、耐久財受注、住宅価格指数、25日新規失業保険申請件数、26日バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長の講演、実質国内総生産(GDP)改定値、ミシガン大学消費者態度指数・確報値などが複数のイベントが控えている。そのなかで26日のバーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長の講演に注目したい。米経済の景気減速の高まりを受けて、量的緩和第3弾(QE3)について議長の認識を確認したい。仮にQE3の実施が示唆された場合には、ドル売りが一段と進むものと見られるため下値への動きには警戒しておきたい。

ユーロは、欧州各国の景気下振れ懸念が強まるなか、ユーロ共同債の先行きについて注目が集まりそうだ。欧州連合(EU)は共同債発行に向けて法案を作成する構えであるものの、ドイツのメルケル首相はドイツにとって「危険な道」と表現したように反対の姿勢を示している。また、「負債をまとめて管理すれば、その出所をつかむことは決してできない。まして自国の財政状況をどうやって改善できるというのか」と発言するなど、ユーロ圏の債務問題の根本的な解決には繋がらないと警鐘を発しており、ユーロの厳しい状況は継続するといえよう。

[今週の予想レンジ]
ドル ・円 75.00-80.00
ユーロ・円 108.00-113.00
ポンド・円 123.00-130.00

【今週の主な経済指標】
8月23日
16:28 GER サービス業PMI(速報値)
16:30 GER 製造業PMI(速報値)
16:58 EUR 製造業PMI(速報値)
16:58 EUR サービス業PMI(速報値)
18:00 EUR ZEW景況指数
18:00 GER ZEW景況感調査
21:30 CAN 小売売上高(前月比) / 小売売上高(コア)(前月比)
23:00 USA 新築住宅販売件数

8月24日
7:45 NZL 貿易収支
17:00 GER IFO景況指数
18:00 EUR 鉱工業新規受注(前月比/前年比)
21:30 USA 耐久財受注(前月比) / 耐久財受注(除輸送用機器)(前月比)

8月25日
07:45 NZL 四半期小売売上高(前期比)
08:01 GBR ネーションワイド消費者信頼感
21:30 USA 新規失業保険申請件数(前週分)

8月26日
08:30 JPN 全国消費者物価指数(コア)(前年比)
08:30 JPN 東京消費者物価指数(コア)(前年比)
17:30 GBR 四半期GDP(前期比/前年比)(改定値)
21:30 USA 四半期GDP(改定値)(前期比年率)
21:30 USA 四半期個人消費(改定値)(前期比)
21:30 USA 四半期GDP価格指数(改定値)(前期比)
21:30 USA 四半期コアPCE(改定値)(前期比)
22:55 USA ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)

≪2011年8月19日クローズ時点≫
ドル・円   :「ブル」
ユーロ・円  :「ブル」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円  :「ブル」
NZドル・円  :「ブル」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


ドル円は「ブル」
上下に値動きが激しい展開になったものの、介入警戒感から下値での押し目買いが強く
「ブル」。史上最安値を更新したことで本邦による為替介入に期待したいものの、再び
投機的な動きから下値試しになった場合は、ストップロスを巻き込んで下げ足が速まる
可能性もあるため、十分にリスク管理を行いつつ、下値での押し目買いを狙いたい。


ポンド円「ブル」
米景気の先行き懸念の高まりを背景に、ポンドドルでポンドが強含みになり「ブル」継
続となった。17日の英中銀議事録のなかで、英国経済の懸念材料は「ユーロ圏の危機に
起因」としているものの、米経済も景気減速懸念があることから、相対的に下げ材料の
少ないポンドが選好されるかもしれない。ただし、今週の英経済指標では、26日に英四
半期GDPの発表を控えており、市場予想では低成長になるとの見方が多いため、上値は
限定的になろうか。


豪ドル円「ブル」
先週の豪ドル円は、欧州各国で金融機関の株式空売り規制を受けて株高になると、リス
ク志向が回復し高金利通貨の豪ドルが買われ「ブル」優勢に。しかし、世界経済の成長
鈍化懸念がある中で、リスク回避の局面が多く買い進むには新たな燃料が必要となろう。
ただし、短期売買に限れば欧米株式の株高などポジティブ材料を手掛かりに、買い進め
るのがいいかもしれない。


---------------
【ご注意】
※当サービスは投資判断の参考となる情報の提供を唯一の目的としたもので、投資勧誘を目的としたものではございません。
※投資に関する最終判断は、お客様ご自身の判断でなさるようお願い致します。
※当社は掲載されている情報の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容の正確性、完全性を保証するものではございません。
※当サービスに基づいて被ったいかなる損害についても、弊社及び情報提供元、関連会社は一切の責任を負いかねます。
※いかなる目的を問わず本情報の複製、転送及び販売を固く禁じます。
---------------
トレイダーズ証券「みんなのFX」