最後はロジックのブラッシュアップの方法を紹介しよう。ここでは、大証225とCME225の連動性に着目したロジックを組み立ててみることに。ちなみに、こうした2つの指数を比較、検証するのは、シストレ界では知られた手法の一つなのだとか。

 「ギャップが発生しやすい大証225の特性を生かして、NY市場が前日比プラスで終わったときには大証225を売り、NY市場が前日比マイナスで終わったときには大証225を買う、という単純なロジックでシストレをやる方は非常に多いんです。でも、シストレの単純なロジックは広く知れ渡るほど勝率が悪くなる。そこで一工夫必要になってくるんです」


日経とCMEの関連性を探る



 と言いつつも西村氏が紹介してくれたのは、大証225の影響を受けて変動するCME225向けのロジックの組み立て方。

 「まず、NY市場と大証225の連動性から導かれたロジックのように、大証225先物の終値よりもNY株式市場開始時間に当たる23時30分(日本冬時間)のCME225先物の価格が安ければ買い、高ければ売りというロジックを組み立てます。CMEが閉じる6時10分に決済するようにすると、全取引の勝率は50%になります」

 大証の終値よりも安かったときに日経225を買うと利益が出やすい、ということはCME225が大証225の終値との乖離を埋める傾向が強いということ。これだけでも十分にロジックとして成り立つが、さらに有効なものに仕上げるべく手を加えよう。

 「検証1のロジックをブラッシュアップするために新しくフィルターをかけます。このロジックは大証225が陰線で終わると機能しやすいのか、それとも陽線のときに機能するのかを検証してみるのです。陰線ならばCME225を買い、陽線ならば売りるというロジックの検証結果が真ん中の図」

 この検証過程では大証225が陽線のときのCME225買い、陰線のときの売りは行わないので取引数は半減する。肝心のフィルターの有効性は乏しいようだ。図を見れば明らかなように、純利益は減り、PFは1を割ることに。収益曲線は大きく波打っていることから、収益の安定しない粗悪なロジックであることもわかる。

 一方で、逆のフィルターをかけた場合には成績が良くなる、という仮定も成り立つことに。

 「今度は大証225が陰線のときにはCME225を売って、陽線のときには買うというフィルターをかけてみる。すると、きれいな収益曲線が出来上がります。検証1の図との違いはわかります?」

 検証1と比較して、検証3の結果導かれたロジックは、ドローダウンがほぼ半分に縮小。勝率は56%になり、滑らかな収益曲線を描いている。フィルターをかける分、トレード回数は半減し、純利益が増えるロジックへとブラッシュアップされたわけだ。

 さらに手仕舞いのタイミングを検証したり、損切りラインの設定基準を検証することでドローダウンを抑えて、利益を伸ばすロジックに仕上げる方法もあり。検証を繰り返すことで、シンプルなロジックでも複雑なロジックにも勝る利益や勝率を確立することは難しくないのだ。




西村貴郁氏
'75年生まれ。アーサーアンダーセン税務事務所、KPMG税理士法人を経て、ウエストビレッジインベストメント(http://www.wvi.jp/)を設立し、システムの販売やシグナル配信を行っている。
著書に『トレードステーション入門』(パンローリング刊)などがある