忘れてならないのは、シストレ向きの市場であること。

 「CME225の値動きはNYダウやS&P500といったアメリカ市場の指数に連動しやすいんです。もちろん大証225にも連動する傾向があります。さまざまな市場との連動性があるということは、各市場のデータから裏づけをとる検証作業の幅が広がることにもなります。もっと言えば、新たなロジックが見つけやすい。NYの影響をモロに受ける大証225と違って、トレンドが発生しやすいからシンプルなロジックでもハマるものがあるはずですよ」

 さらにCME225は投資の対象としてだけでなく、日本株のリスクヘッジとしても使えるということも知っておきたい。

 「CME225は、日本市場に特有なギャップに特化したリスクヘッジが可能となります。日本の株式相場が終了した後でも、CME225を売り建てておけば、NY市場が暴落して、日本株が大幅なギャップダウンで寄り付いた場合に被る保有株の評価損を埋め合わせることができるのです」

 もはや先物取引を利用したリスクヘッジは機関投資家の専売特許でもない。?ポストFX〞の筆頭とされるCFDで指数先物トレードが広まったことに加えて、松井証券やトレイダーズなど日経225先物を扱う証券会社がCMEの取り扱いを増やしつつあるため、個人投資家でもプロ並みのトレーディングテクニックを駆使できる環境が整いつつあると知るべし!

 ただし、未成熟なだけに若干、改善の余地はありそう。

 「最大のネックは流動性の低さ。出来高が小さいため、注文板が薄くなり、狙いどおりの値段で注文できなくなるスリッページが起きることも少なくないんです」そんなリスクも負える中級者はぜひともCME225にチャレンジしてもらいたい。



西村貴郁氏
'75年生まれ。アーサーアンダーセン税務事務所、KPMG税理士法人を経て、ウエストビレッジインベストメント(http://www.wvi.jp/)を設立し、システムの販売やシグナル配信を行っている。
著書に『トレードステーション入門』(パンローリング刊)などがある


用語解説


【シグナル配信】
システムが示す売買の指示をメールなどで配信すること。
自前のシステムを持っていなくとも、システムトレードの運用ができる

【ボラティリティ】
ある銘柄の価格変動率のこと。
上昇相場よりも下落相場のほうがボラティリティが大きい傾向にある

【ギャップアップ/ギャップダウン】
前日終値よりも寄り付きが高いことをギャップアップ、その逆をギャップダウンと言う。
ローソク足を並べると間が開いて見える。ギャップができることを日本では「窓を開ける」と言う

【スリッページ】
想定していた決済価格と実際の価格との間の差額のこと。
成り行きで注文したときに発生する、注文直前までの価格と実際の決済価格に差。
相場が閑散としていたり、相場の急落、急騰などの際にスリッページが大きくなることが多い

【ドローダウン】
運用中に発生する、ある一定期間における損失の幅のこと。
シストレの開始直後に大きなドローダウンがあると、自己資金がなくなり、売買ができなくなることもあるので、
どの程度のドローダウンが発生するか、過去データをよく検証する必要がある

【プロフィットファクター(PF)】
シストレで、システムの良し悪しを測る基準の一つ。
獲得した総利益を失った総損失で割った値。PF2ならば、2万円の利益を出すのに1万円の損失が発生することを示す。
PFが高いほど、優秀なロジックと言える