長期投資が基本!資金はすべてを注ぎ込まない




表にあげられた銘柄は、東証1部銘柄のように、業績や財務の安定性が高い銘柄ではない。だが、小粒ながら光るものを持ち、長い目で見守れば、期待に応えてくれる可能性が高い銘柄だ。

「地方単独銘柄や新興銘柄への投資は、長期投資が絶対の鉄則。最低でも3年は持つつもりで、投資プランを組みましょう」

板が薄いということもあり、短期の値ざや取りには適さないのだ。

先に触れたように、市場替えによ
る急騰の可能性もあるが、仮にそれがあるとしても、いつ起きるのかは推測できない。

いつか大きく化けてくれるのを楽しみに、じっと待つのが地方銘柄投資の王道だ。

ただし、当然だが必ず大化けするわけではない。お宝だと思ったのがが、実はゴミだった、という可能性だって、あるのだ。つまり、〝ハイリスク・ハイリターン〞ということ。

「地方銘柄や新興銘柄への投資は、あくまで投資資金の一部で行うべき」(小川氏)ということで、〝お宝〞を見つけたと思っても、くれぐれも全投資資金を注ぎ込んだりはしないほうがよさそうだ。

地方市場は、たしかに銘柄が限られる、取引が少ないといったデメリットはある。

しかし、この銘柄数が限られるというのは、ある意味ではデメリットでもあるが、ある意味ではメリットでもある。なぜなら、上場しているすべての企業について、詳細に調べることも、可能となるからだ。10年前にそうしていれば、札証時代の株価が低いニトリを買えたかもしれない。

企業をくわしく調べて、これはと思う銘柄を自分で見つけ出し、長期保有して、大きく成長するのを待つ。これはあの世界一の投資家、バフェットの投資法にも通じる。株式投資の王道を堪能できるのも、地方市場ならではの醍醐味かもしれない。






グリーンシート&フェニックス銘柄って何だ?


地方市場は、マイナーとはいえ証券取引所である。一方、取引所に上場していない企業の株を売買できる場がある。それが「グリーンシート」だ。みどり証券(現・日本クラウド証券)の責任者に話を聞いてみた。

「グリーンシートとは『上場基準を満たしていないが、将来上場を目指しているベンチャー企業の株を売買できる制度』のことをいいます。取引所に上場していない企業の株式について、証券会社が勧誘などをするのは、原則として禁止されていますが、未上場でも、上場企業並みにきちんとIR情報の提供をしている企業もあるわけです」

そのような企業については、例外的に証券会社が気配値をつけて、勧誘活動をしていいことになっている。東証がメジャーリーグ、地方市場がマイナーリーグなら、グリーンシートはテスト候補生といったところだろうか。

「グリーンシートの取引は、取引所を経由せず、証券会社と投資家との相対取引になるため、扱う証券会社によって気配値が異なったりする可能性があります。取引高自体、地方市場と比べてもさらに少ないのが現状です。しかし、例えばスカイツリーを建設している孫請けの工務店が、『巨大案件の受注により多額の資金を必要としている』といったケースも多く、これらは材料買いの要素が大企業よりも株価に反映しやすいのです」

現在、56銘柄が登録されており、日々の取引状況はグリーンシートのホームページで公開されている。

一方、「フェニックス銘柄」とは、取引所に上場していたが、上場廃止になった銘柄の株を売買できる制度である。

「取引所の上場基準に達することのできない企業は上場廃止になります。その際、その企業の株を持っていた投資家から見ると、株を換金できるといった利点があります」

企業から見ると、いったん上場をやめることで、新たに資本政策を組みなおして復活するための戦略を練る場、ということになるだろうか。

「’08年3月に始まったばかりの新しい制度なので認知度は低いのですが、現在2社が登録されています」

地方の優良企業に投資したいと考えるなら、地方上場銘柄だけではなく、これらの制度にも注目してみたい。