前頁でも触れたように、地方市場に上場している銘柄の多くは、東証などに二重上場している。二重上場している銘柄については、あえて地方市場で買う意味はない。素直に東証で売買すればいい。

したがって、ここでは「地方単独上場」の銘柄のみを投資候補としよう。

とはいえ、地方単独上場の銘柄は数が限られる。福証の場合、既存市場は119社、新興市場のQ-Bordが10社で、あわせて129社が上場しているが、そのうち単独上場は38社。札証では、全75社上場のうち、単独上場は20社 である。このように、対象となる銘柄の数自体が少ないというのが、地方市場の特徴である。


銘柄選びの第一歩は独自技術を持つ企業を探すこと


銘柄選びで気をつけなければならないポイントはどこにあるのだろうか?

「まず、取引がある程度行われており値がついている銘柄というのが、地方ならではのポイントとなります。業績や財務が優秀なように見えても、1週間、2週間とまったく売買がない、といった銘柄では、いざ売りたいときに売ることもできません。また、取引が少ないと価格が飛び飛びになるので、成行では買いにくいし、指値を入れても約定がつきにくい。少なくとも毎日値がついてる銘柄というのが大前提となります」(フィスコ小川氏)

地方市場銘柄は、業種としては、小売り関連、外食関連、不動産関連地銀、第二地銀などの金融関連、などが多くを占めている。

「地銀などは、大きな成長が見込める、という業種ではないので、投資妙味は薄いでしょう」

たしかに、この時代に地銀が何倍もの成長をする、という可能性はなさそうだ。銀行は、まっさきに対象から外していいだろう。

「ニトリが大きな成長を遂げたのにはさまざまな理由がありますが、物流、倉庫保管システムなどに独自のノウハウを形成できた点が大きいです。いわゆる、技術型ベンチャーはもちろん、小売や外食産業でも、独自技術をどれだけ形成しているかが、企業の成長に大きく関わります。そうした点から、個性の強い企業を選ぶべきでしょう。会社四季報や、企業のIRページを見るだけでも、ある程度のことはわかります」

地方から全国区の企業へ大化けするかは、「オリジナリティが重要」というわけだ。その観点から小川氏に推奨してもらったのが、表に取り上げた銘柄だ。

「福証Q-Board銘柄のトラストパークは、駐車場の運営・管理がメイン事業で、首都圏や大阪でも営業展開しています。そのうえ、CG制作や飲食業などを新事業として展開し、それらの技術を本業にうまくリンクさせている点が巧みです。札証の健康HDは、健康器具や美容器具会社を束ねる持ち株会社ですが、独創的な商品をネット、店頭問わずに広く販売し業績も好調。ひとつのメガヒット商品が出れば、大きく業績がアップする面白さがあります」