2011/8/5 トレイダーズ証券「みんなのFX」

ドル円は、東京市場の10時に日本政府・日銀が3月の協調介入以来、単独では昨年9月以来の単独介入に踏み切ったことを受け77円前半から79円前半まで約2円ほど急騰した。その後も日銀金融政策決定会合において新型オペの規模と金融資産買い入れ規模をそれぞれ5兆円拡大し、総額50兆円規模とすることを発表したことで79円ミドルまで上昇。さらに東京市場だけでなく欧州市場でも断続的に円売り介入がおこなわれると7月12日以来、約3週間ぶりの80円台を示現した。ただ、NY市場では米長期金利が低下し日米金利差縮小への思惑から円売りの動きが一服すると流れは一転下向きとなり80円を割れる展開に。また、トリシェ欧州中央銀行(ECB)総裁が理事会後の記者会見で、日本の為替介入について否定的な見方を示したうえ、米当局者も「米国は日本の市場介入を支持しなかった」と述べたことが重しとなり、一時78.60円付近まで反落した。引けにかけては、本日高値の80.230円を付けた後に急ピッチで調整が入っていた反動などもあって下げ渋り78.979円で取引を終えている。

ユーロ円も、東京市場では政府・日銀の円売り介入からドル円が上値を伸ばした流れに沿うかたちで、7月11日以来の高値となる114.169円まで急騰した。しかし、欧州勢が本格的に参入するとイタリアとスペインの債務危機が警戒されて、欧州株価が大幅に下落したことがリスク回避姿勢を強めたほか、トリシェECB総裁が定例記者会見で「最近のデータはいくらかの景気減速を示唆」「成長に関して下向きのリスクが強まった可能性がある」などと述べ、景気下振れリスクに言及するとユーロ売りが加速し111.30円付近まで反落する荒れた展開。その後もNYダウや、原油先物相場が大きく値を下げたことを受けたリスク回避の地合いが足枷となり、欧州市場でつけた高値から約2.7円下落する111.410円で取引を終えている。


今日の展開


ドル円は、政府・日銀の円売り介入実施を受けて円安ドル高が進み、一時80円台を示現したものの、その後は上昇の約50%程度押されており、再び80円を目指す展開は想定しづらいだろう。その理由としては、今回の介入は単独であり、各国から否定的な見方を受けている点、日銀金融政策決定会合での追加緩和も5兆円拡大の総額50兆円規模は予想の範囲内だった点、さらに2012年末を目途に増額を完了するという時期も長すぎて好感することはできない点等から今回の介入及び金融政策は限定的となる可能性は高い。また、欧州諸国の債務問題に加え、米経済の先行き不透明感が強まっていることから、リスク回避の円買いは根強いほか、NYダウは512ドルの暴落で、米債利回りも大幅に低下しているなか、量的緩和第3段(QE3)の可能性も否めず、ドルを積極的に買う雰囲気でもないだろう。短期的な下値目途としては昨日の高安76.973円⇒80.230円の半値押し水準にあたる78.601円とし、下抜けた場合は5日移動平均線の78.00円付近となろう。

ユーロは、欧州中央銀行の理事会にてトリシェECB総裁が記者会見で国債購入の再開を示唆したことや、景気のダウンサイドのリスクが高まっていると指摘するなどバイアスは弱気となっている。また、対円でも欧米の金融当局者は日本の為替介入を支持していないため、上昇した分の下押し懸念や、原油は5%超、独DAX指数、NYダウも急落する世界的なリスク回避の流れに再び円買いの動きもあるだろう。テクニカル面でも為替介入前の水準である110.70円付近を維持できるかどうかが焦点となるが、仮に上記サポートを割り込むと今月の安値である108.80円付近まで大きなサポートが見当たらないだけに注意したい。

[今日の予想レンジ]
ドル ・円 76.20-79.80
ユーロ・円 108.00-111.00
ポンド・円 126.00-129.00

【今日の主な経済指標】
14:00 JPY 景気一致指数
14:00 JPY 景気先行指数
14:00 JPY 金融経済月報
16:15 CHF 消費者物価指数
17:30 GBP 卸売物価指数
19:00 DEM 鉱工業生産
20:00 CAD 新規雇用者数
20:00 CAD 失業率
21:30 CAD 住宅建設許可件数
21:30 USD 非農業部門雇用者数変化
21:30 USD 失業率
23:00 CAD Ivey購買部協会指数
04:00 USD 消費者信用残高

≪2011年8月3日クローズ時点≫
ドル・円   :「ブル」
ユーロ・円  :「ブル」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円  :「ブル」
NZドル・円  :「ブル」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


ドル円は「ブル」
政府・日銀は一方的な円高の動き続きを警戒して為替介入を実施。参加者も介入への期待
から「強気」だ。今夜発表の米公式雇用統計は、3日に発表された7月のADP(オートマ
チック・データ・プロセッシング)全米雇用報告が市場予想を上回ったことで期待が高ま
っているが、最近は労働省発表の米雇用統計との乖離が指摘されており、必ずしも良好な
結果になる保証はないだろう。また、政府・日銀による円売り介入がある程度下支えする
と考える事も出来るが、日銀の金融追加緩和5兆円の増額は「市場では織り込み済み」で
あり、上昇余地は限定的と見たい。


ポンド円「ブル」
「ブル」継続となったが、為替介入により、一時130円の大台を超える上昇を見せたこと
で高値警戒感から割合は8割を割り込んでいる。前日は英中銀はMPCで政策金利の0.50%
と資産買取枠の2千億ポンドの据え置きを決定し、市場の予想通りとなっているが、欧米
の債権問題などドルやユーロが敬遠されており、消去法からポンドは選考されやすい展開
となっている。しかし、シカゴ・オプション市場でS&P500種株価指数オプションの値動
きに基づいて算出される恐怖指数は29ポイントまで急上昇するなど投資家心理は冷え込ん
でいるため慎重姿勢で臨みたい。


豪ドル円「ブル」
82円と割安感がでているほか、高い金利水準を背景に参加者の買い意欲は依然旺盛で「
ブル」に変化はない。しかし、原油は88ドル台まで下落し、安全資産としての位置づけも
ある、金まで下げに転じる展開では下値が脆弱な地合いとなるだろう。テクニカル面では
4月から下降トレンドラインの下限となる82円を割れれば3月17日安値73.973円⇒4月11
日高値90.024円の61.8%押しである80.10円付近も視野に入ってこようか。


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