4か月で12万pips獲得の猛者も!

市井の投資家が作ったシステムを徹底検証徹



MT4とEAを駆使したFXの自動売買が一世を風靡している。自ら考案したツールで大儲けする者から、他人が作ったEAを検証・カスタマイズして利益を追求する者まで、自動売買の攻め方を聞いてみた!



[その1]4か月で12万pips以上!最強スキャルロジックとは?


昨年8月、一躍話題になったEA(Expert Advisor=自動売買用のプログラム)がある。「MT4(メタトレーダー)」のEA機能を利用して、わずか4か月間で12万pipを獲得した「GodSpeed(以下、GS)」だ。自動売買の成績や売買履歴を管理できる「トレサポ」(http://trsp.jp/)に登録した途端、1日1000回近くのトレードで1000pips以上を稼ぎ出すGSに注目が集まり、成績の真偽や、ロジック(EAが機能するルール)が取り沙汰された。

「システムトレードによる自動売買は儲かるんです。でも、それに便乗して、『1年で100倍に!』なんて宣伝文句で、いい加減なEAが高額で大量に販売されていた。正直、それにムカっとしてたわけですよ。まるでFXがパチンコみたいになってるでしょ。だから、みなさんに正しい認識を持ってもらおうと思ったんです。やろうと思えばできるけど、それはこういう方法論でしか無理だよと」

そう語るのは、GSを製作したくーちゃん氏。カリスマとなったシステムトレーダーの正体は、実はリーマン・ブラザーズの自動売買システムを構築したこともあるというシステムトレードのプロだったのだ!

では、プロが構築したGSのロジックはどんなものなのか?




ネット上に仮想の市場を作ってサヤを取る!


「GSでやってたのは、アービトラージ(サヤ取り)です。FXは相対取引ですから、市場で決まった1つのレートで売買されているわけではありません。だから、あるFX業者がレートを動かし損ねて、ズレることがある。そこで、複数の業者のレートを比較する『ネット上の仮想為替市場』を作って、明らかに高いレートがあれば売り、明らかに安いレートがあれば買う。そしてそのズレが修正されれば決済する、というトレードを繰り返していたわけです」

つまり、A社とB社で1ドル=82・5円をつけていたときに、C社が1ドル= 82・48円をつけていたら、C社に買い注文を出し、C社のレートがA社、B社と同じになれば決済することで2pipsの利益を得る、というトレードだ。しかし、ただ単純に業者のレートを比較しても、サヤは抜けない。

「レートに誤差が生じるのは長くて0・1秒。まばたき1回分です。しかも、インターネットで日本からロンドンの業者のレートを確認するには、太平洋と大西洋を越えて、片道150ミリ秒(1000分の150秒)かかり、注文を出すとまた150ミリ秒かかる。その間にレートの誤差は修正されてしまいます。だから私は、GS用のサーバを世界4か所に設置して、欧州の業者だけ、アメリカ東海岸の業者だけ、西海岸の業者だけ、オセアニアの業者だけで比較する仮想の為替市場を作り上げて、通信のロス時間を短縮した。ここまでやらないとGSのようなスキャルピングのシステムトレードはできないんですよ(笑)」

さらに、GSのすごさは通信の問題だけではない。FX業者をどう選び、どう使うかがもっとも重要なファクターだったのだ。

「GSのEAは3週間ほどで書き上げたんですが、それから実際に稼働するまでに2か月かかりました。事前に『こういうトレードをやりますが、口座を開設していいですか?』と業者に丁寧なレポートを送って交渉したんです。もちろん、断られることもありました。このやりとりに、時間がかかったんです。それでも出金拒否や約定拒否にも遭いましたけどね。GSのようなトレードをするには、FX業者との交渉は不可欠なんですよ。今は『GodSpeed2』を稼働させているんですが、寿命は長くてあと半年。昨今は、海外の業者もスプレッドが狭くなってきて、サヤ取りが難しくなってますからね」

GSは素人にはとても真似できない手法だが、しかし、だからこそ4か月で12万pipsという成績を上げられたのだ。くーちゃん氏は今、トレンドフォロー型の新しいロジックを組み込んだEAをテスト運用させている。

「私はもともとテクニカル指標だけのEAは信用していない。それで勝てるなら金持ちだらけになってるはずでしょ? 唯一、若干の優位性があるのは長期の移動平均線だけど、それだと1年に数回しか売買シグナルが出ないし、勝率も悪い。でも、サヤ取りなら短時間のトレードだからリスクが低いし、確実に優位性があるからサヤ取りをしていたんだけど、今回のEAはサヤ取りじゃない。かといって、テクニカルでもない。為替市場の本質を突いたEA。まだテスト段階だけど、これは業者に関係なく使えるEAです」

それが右下にある「Ku-Chart(クーチャート)」を利用したもの。これは「どの通貨からどの通貨へ、世界の資金が流れているか」を示すことを可能にしたチャートだ。

「通貨の変化率を計算することで、世界の資金シフトが一目でわかり、確実にトレンドを摑めるんです」

「ku-chart」の詳細な解説は3月29日号の『週刊SPA!』に譲るが、シストレはやり方次第でとんでもなく儲けることができることは、くーちゃん氏が実証済みだ。

「世界でもトップレベルと言われて、黙っていてもお金が集まるファンドが年利35%程度。でも、FXのシストレなら2〜3倍にすることだって難しくない。それくらい可能性がある世界なんです」