1900枚のドル売りで まさかの損失8000万円



 今年の2月、兄貴はまさかの事態に遭遇する……。

 「2月6日だよね。あの日のことはオレ、一生忘れないと思うよ。あの復讐は絶対にしないと」

 いつも強気な兄貴が、このときだけは遠くを見つめながら続ける。
ドルはもっと下がると思って1月からずっと男売りしてたんだよ。トータルで1900枚

 1900枚ってことは、米ドル/円ならざっと19億円! 1円動いただけで、損益は1900万円動くことになる。おちおち夜も眠れない巨額のポジションだ。

 「かなりの含み損を抱えていることはわかっていたけど、それでもファンダメンタルから見たら下がって当然だから耐えてたんだよね。10円下がったら、2億のアガリだから店仕舞いしてFXから足を洗おうかなっとか思ってた。けど、相場は下がらなかった。甘い考えはやめろってことだよな。神様が『人様を助けて世の中に貢献しなさい』って言ってきたんだよ」

 これが、伝説と化している8000万円の損切り 。含み損を“男辛抱”で耐え忍び、男売りでナンピンを続けていたのだが、ついにはポジションを清算して、資金は一気に6000万円に……。

 生半可なトレーダーなら、ここで心が折れてしまうところ。しかし兄貴は違った。トレードスタイルを見つめ直し、今、着々と8000万円の損失を取り返しているのだ。

 「それからは男売りを封印して、スキャルピングばっか。だって、最近の相場って下がって当然なのに上に行っちゃう。こんな相場で勝負してたら、文無しになるよ」

 スキャルピングとは短時間で売り買いを繰り返し、わずかな利幅を狙うトレードスタイル。実は兄貴、優秀なスキャルパーでもあるのだ。男売りを手控えた最近は、スキャルに徹して一日数十万円から100万円ほどをコンスタントに稼いでいる。まさに「FXはキャッシュディスペンサー」を実践しているのだ。

 「スキャルはもともと得意技。去年の8月から10月までは、一回も負けることなく61連勝したし。連勝記録をつくろうと思ったら、100連勝でも200連勝でもいけると思うよ」

 なんてサラリと言ってのける兄貴だが、根性のみならず確かなトレード理論も身につけていることは知られていない。FX開始前から密かに研究を重ねてきたのだ。

 「もともと日経225先物をやってたんだけど、FXを始めるにあたって、一から勉強し直したよ。かなりの参考書を読みあさったな。ざっと100万円ぐらいは研究に費やしたはず。パソコンとか、あんまわかんねーからさ、毎日、主要レートの高値や安値をノートにつけたりもして」

 こういって見せてくれたのが件の“トレードノート”。毎日の高値、安値などが丁寧に記されている。これに目を通しながら、利確や損切りのラインを分析しているのだ。

 トレード環境づくりも徹底している。トレーディングルームには18台のモニターを設置して、主要通貨のチャートを大画面に表示。10万円以上する高級オフィスチェアをそろえて、長時間のトレードに備えているのだ。それでもどっぷり疲れたときには沖縄へ。

 「一番いいスイートルームに泊まって、いいモノ食べて、贅沢な時間を過ごして、体を労わるわけよ。沖縄に行く時間がないときは、銀座に夜の蝶を愛でに行って、目の保養をするわけ」

 そんな癒し方まで含めた“兄貴流”トレードの詳細を、事項で明らかに! 兄貴、よろしく極道、いやいやご指導願いします。




■兄貴
「男売り」の様子は「FXデイトレード兄貴の随筆」でチェック!