2011/7/6 トレイダーズ証券「みんなのFX」

昨日のドル円は、東京時間に米国議会で本国送金法(HIA)が議題に上っていたことを受けて、米製薬大手によるリパトリ期待が広がるとドル買いが優勢になり81.10円付近まで上昇した。その後、豪州準備銀行(RBA)が政策金利を4.75%の据え置きと発表し、声明文において早期利上げ期待を後退させる内容だったため豪ドル円は急落したものの、ドル円への影響は限定的であった。欧州市場に入ると、手掛かり難から81.15円付近でのレンジ取引になっていたが、米長期国債利回りが低下幅を拡大したことで、日米金利差縮小を意識した売りが観測され81.00円前後まで小幅に下落した。NY市場に入り、格付け会社ムーディーズがポルトガルの格付けを「BAA1」から「BA2」に引き下げたと発表すると直後に上下に値が振れたものの、すぐに落ち着いた値動きとなり81.102円で取引を終えた。

ユーロ円は序盤、ドイツ連邦憲法裁判所がギリシャやアイルランド、ポルトガルなどの高債務国に対して、ドイツが財政支援することに反対する訴訟の審問を開始するとの一部報道が伝わると、ユーロ売りが優勢となり117.25円付近まで下落した。欧州勢参入後に売りが一服すると、一転して買い戻す動きが強まり117.60円付近まで上昇した。しかし、NY市場に入り、格付け会社ムーディーズがポルトガルの格付けを「ジャンク級」に引き下げ、見通しも「ネガティブ」と発表すると、リスク回避からユーロ売り一色になり、ユーロ円は116.692円まで大幅に下落。引けにかけて、ショートカバーが散見され小幅に戻したものの、前日比-0.522円となる116.937円で取引を終えた。


今日の展開


ドル円は、格付け会社ムーディーズがユーロに対してネガティブ材料を発表したものの、ドルと円がともに安全通貨で同一方向に向いているため、反応は限定的となっておりユーロの財政問題では蚊帳の外か。だが、今週末に米雇用統計を控えていることから、NY時間に発表される米ISM製造業景況指数には注目が集まりそうだ。市場予想では53.7と景気動向としては堅調であることが窺えるものの、仮に大幅な悪化になった場合、景気減速懸が高まり下値試しの展開も想定される。ただ、本国送金法(HIA)に関連して、米企業によるリパトリ期待がドルのサポート材料となっていることもあり、押し目買い目線も維持したい。

欧州の財政問題は、ギリシャのデフォルトリスクが一時的に後退したことにより、リスク選好ムードが高まっていたものの、5日ドイツ連邦憲法裁判所がギリシャ支援について反対する訴訟を審問開始するとしたほか、格付け会社ムーディーズがポルトガルの格付けを投資対象不適格となる「ジャンク級」に引き下げる等、一転してリスク回避の動きとなっている。本日もPIIGSに関するニュースや要人発言、格付け会社の発表等に振り回されることが想定されるため、ネガティブ材料が出た場合に備えリスク管理をしっかりとしていきたい。

[今日の予想レンジ]
ドル ・円 80.50-82.00
ユーロ・円 116.00-117.80
ポンド・円 129.00-131.50

【今日の主な経済指標】
10:30 AUD 四半期住宅価格指数[前期比] 1-3月期
10:30 AUD 四半期住宅価格指数[前年同期比] 1-3月期
10:30 JPY 毎月勤労統計調査-現金給与総額[前年同月比] 3月
16:15 CHF 実質小売売上高[前年同月比] 3月
16:30 CHF SVME購買部協会景気指数 4月
17:00 EUR 製造業購買担当者景気指数(PMI、改定値) 4月
21:30 CAD 鉱工業製品価格[前月比] 3月
21:30 CAD 原料価格指数[前月比] 3月
23:00 USD 建設支出[前月比] 3月
23:00 USD ISM製造業景況指数 4月

≪2011年7月5日クローズ時点≫
ドル・円   :「ブル」
ユーロ・円  :「ベア」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円  :「ブル」
NZドル・円  :「ベア」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


ドル円は「ブル」
東京時間におけるリパトリ期待を背景にドル買いが進み、6月28日以来となる81円
台にのせて引け、参加者のリスク志向も改善傾向にあることから「ブル」になって
いる。しかし、ポルトガルの格付け引き下げで安全資産とされる米国債に資金シフ
トする動きが観測されており、米長期国債利回りが下方向への動きが活発化してい
ることから、日米金利差の縮小を意識した売りが想定されるため、ポジションの傾
け過ぎには注意したい。


ポンド円「ブル」
英経済指標のサービス部門購買担当者景気指数が53.9と市場予測の53.5を上回った
ことを好感しポンド買いが強まり、参加者も「ブル」を選択したようだ。本日は、
おもな英経済指標の発表が予定されていないことから、ユーロの値動きを中心と相
場展開になろうか。ギリシャのデフォルトリスクは後退しているものの、ポルトガ
ルの債務懸念が強まっているため、懸念材料の少ないポンドが選好されやすい地合
いか。ただし、7日に英中銀による政策金利発表を控えていることから、調整が入る
可能性が否めず上値は限定的になるかもしれない。


豪ドル円「ブル」
豪準備銀行(RBA)の政策金利は市場予想通りの4.75%に据え置かれた。声明文で
は現在の若干引き締め気味の政策が引き続き適切」「2011年の成長は予想ほど強く
なることはないだろう」「雇用の伸びは目先鈍化する見込み」との認識が示された
ことから、追加利上げ観測が後退し豪ドルは売りで反応した。しかし、参加者の押
し目買い意欲は強く「ブル」となった。声明から足元の豪経済はやや鈍化するもの
と考えられるが、株式や金や原油といった商品相場が堅調であることから、引き続
き豪ドル買い妙味はありそうだ。


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